2009-07-20

Genärtz Binn

ファーストガンダム見終わりました。
Ζガンダム見始めました。
クワトロって名前は小動物っぽいな。
オープニングの歌がいちいち時代を感じます。









さて、物理化学実験の時間です。
ネタは水。DHMOですね。
このまえみたくアンフェアな書き方はしないですたぶん (γ_β)

あ、いつもどおり携帯に優しくないブログ。PCからみてください。動画もあるし。http://kirmav.blogspot.com/


とりあえず写真。








はい、チーカマみたく膨れたペットボトルです。
ボトルに水をちょっと入れて、密閉したままレンジで沸騰させました。








このボトルを冷まします。
握りつぶしたわけじゃありません。








冷ますだけでこんなになります。




むだにかっこよく撮れた!




冷ますと潰れるボトル、動画。








このやる気のないつぶれ方はなかなか乙です。

再加熱でまた膨れます。二回目くらいでボトルに穴が開きました。








溶けてます。

ちなみに使ったのはお茶の入ってた一般用PETボトルというやつで、ようは耐熱でも耐圧(炭酸用)でもないふつうのやつ。
耐熱温度は50℃で、それ以上だと柔らかくなる?らしい。








水もしたたる いいボトル。



PETは
冷却 → 内圧が低下 → 大気圧に潰される
なる過程を辿ったことが想像されます。

そしてなんと、同じことがドラム缶でも可能らしいです。
つまり、水入れて火にかけて沸騰させたドラム缶のフタを閉じて冷ますと、大気圧でべっこべこにされてやんよです。









じゃあ、容器が潰れなければどうなるのか。
理論上は内部が陰圧になって、蒸気圧平衡を保ちつつ、温度が下がるかぎり沸騰をつづけます。
そして事実そのとおりになります。


1. 瓶に水と沸騰石を入れる。

瓶は未開封状態でフタが凹んでるタイプが良いです。今回はアオハタのジャム瓶を使いました。




煉瓦のかけらとか、シャーペンの芯(微妙)とか、半田の塊(ほぼ無意味)とか。





突沸防止に沸騰石は必須です。じつはPETのときも入ってました。これがないと瓶割れます。








突沸とか急冷がかかると、風船みたいな音を立てて瓶が割れます。
大きめの電球が過大電流でイッたときの音も似てる。








手を切るのでまねしちゃいけません。

という警告を無視して試してみるようなひとが、個人的には好みです。






2. フタをきつくしめて、レンジで加熱、沸騰させます。








動画だと分かりづらいけど、これで沸騰してます。

  • フタがしてあるから、100℃超えても沸騰しません。つまりイージーな圧力鍋です。
  • 水蒸気が中の空気をぜんぶ追い出して、瓶の中がぜんぶ水と水蒸気になるまで、このまま待ちます。
  • フタの隙間からシューシュー音がして、レンジのガラスが曇るくらいになったらOK.



禁則事項

瓶を直火で炙って沸騰させたりしてはいけません。
風船(中略)割れます。
フタしてなくても関係ありません。
実際に試したことのある人間が言うのです、間違いない。





3. 瓶をレンジの外へ

  • しばらくは沸騰が続きます。
  • やけどに注意。ガラスもフタも100℃超えててかなり熱い。
  • まだ加圧状態だから、傾けないように。ガスのかわりに水が漏れてきます。



禁則事項

加圧状態の瓶を開けちゃだめです。
急速に減圧して突沸が起きるでしょう。
あと水蒸気でやけどするかも。




4. あそぶ

ガスが出る音がしなくなったら傾けてもへいき。
沸騰がそれなりに落ちついたら遊べます。水をちょっとかけて冷ましてみよう。







冷ますと沸騰します。

手で持ってても沸騰します。

フタを息で冷ましても沸騰します。




しばらくは100℃オーバー。フタに乗った水も沸騰します。




温度が下がると瓶の蓋が凹みます。このときけっこういい音がします。

適当計測結果(©やみ)より、大気圧の半分くらいの力で押せばフタが凹むようです。
加熱をやめてもしばらくは加圧状態が続くことを考えて、110℃まで加熱した瓶なら95℃くらいまで下がれば凹むかな。

フタが凹んだら瓶の中は陰圧です。ジャム瓶だとフタの構造が弁の役割をするから、外から空気が入り込んで陰圧が破れることはないです(売ってるジャムもフタが凹んで気密もってるよね)。

瓶の中身が60℃になろうと40℃になろうと、冷やす余地のあるうちは沸騰が続きます。理論通りです。



禁則事項

瓶ごと水に沈めて急冷してはいけません。
やっぱり風船します。
やるなら手でも持てるくらい冷めるまで待ちましょう。





5. 再加熱

そのうち、気温と同じくらいまで瓶の温度が下がって、それ以上沸騰は起こらなくなります。
さらに冷蔵庫にでも入れればもう少し沸騰するかもね。

死んだら再加熱です。またレンジに放り込みましょう。
40℃くらいにでもしてから外に出せば、またしばらく沸騰してくれます。
フタを開けないかぎり、中の状態は温度以外に変化しえないのです。









ここからは読み飛ばすとよいです。減圧瓶の原理について。


Q. 温度が下がると沸騰するのはなんでだ?

簡単にいうと、瓶の中が陰圧だからです。つまり真空に近いのです。

圧力がかかってると、100℃超えても水が沸騰しません。圧力鍋の原理。
かかる圧力が小さいと、90℃くらいでも沸騰します。高い山の上とかね。
低い温度で沸騰するってことは、圧力が低いってことと同じ意味です。



Q. 瓶の中が真空になったのはなんでだ?

空気を追い出してから冷却したせいです。

密閉しつつ沸騰させた時点で、瓶の中は100℃越えの水と水蒸気だけになってて、空気は(水に溶けてる分をのぞけば)ゼロ。

このまま冷ますと水蒸気が水に戻って、気体部分の体積が1600分の1になります。
つまり気体が発揮する圧力も1600分の1です。これは日常生活的にはふつうに真空です。

実際にはそんないきなり真空にはならんで、ゆっくり圧力を下げつつ沸騰をつづけるんだけど。



大事なのは「中身を水と水蒸気だけにする」ってとこ。
PETやらドラム缶も、水を入れてから加熱しないと潰れてくれません。
ドラム缶を真っ赤に燃やしてからフタをしても、中がちょこっと陰圧になるだけで、べっこべこにはならないんじゃないかな。

大気圧の力は1kgf/cm。
中身がぜんぶ真空になったドラム缶(JIS規格200lサイズ)は、外から合計22tの力で潰される計算。

べしゃ。




Q. なんで冷ませなくなると沸騰が止まる?

沸騰が続くと圧力が補充されるからです。

沸騰っていうのは水が水蒸気になることだから、沸騰が続けばとうぜん水蒸気が増えます。
そうすると水蒸気が発揮する圧力も戻ってきて、沸騰に必要な温度が上がります。

さらに冷ますと、水蒸気がまた水になるので陰圧になって、沸騰が再開します。

逆に加熱すると、わりとすぐに「沸騰に必要な温度」に達するので、沸騰が再開します。けどこの場合、水蒸気の圧力も温度にしたがって上昇するので、温度だけ静かに上がるってこともあります。



Q. そもそもなんで圧が下がると沸騰するの?

逆です。
「なんもなければ水蒸気の方が自然なところを、押しつぶして液体にしている」のです。
だから圧がなくなるとガンガン沸騰して水蒸気になるのは、むしろ当然です。

ガスに圧をかけて押しつぶすと、ガス分子どうしの距離が小さくなります。密度が上がるからね。
で限界を超えて接近した分子は、互いの引力でくっついて落ちてきます。これが液化。
そうやってガスの一部が液になると、そのぶんガスの量が減るので、また距離が離れます。
結果、かかる圧がでかいほど液の量が増えます。

温度を上げると、ガス分子のよけいにエネルギーを持って加速します。
スピードがある分近づいても落下せずに飛び回れるようになるので、同じ圧力でも液の量が減ります。
圧を変えずに加熱だけすると、あるところで液が圧を破って空中に飛んでいきます。これが沸騰。



Q. いつまでも冷ましつづければ絶対零度まで沸騰しつづける?

「瓶が割れない」「気密が破れない」「中身が純粋に水だけ」なら可能かも。

ただ、温度が下がってくると圧力も下がって、そのうち水がぜんぶ氷になります。
氷がじかに水蒸気になるのは昇華であって沸騰とは呼ばないので、厳密には無理ってことに。

ちなみに低圧の物体は液体にはなりません。ぜんぶ固体か気体。
逆に水の場合、固体を押しつぶすと液体になります。スケートが滑る原理(エッジで潰された氷が水になって滑る)。



ここまで読んでくれたひと、もしいたらありがとう。

せっかくなので山で撮った写真をちょっとあげてみます。








複眼すげぇ。









あと、エントリのタイトルGenärtz Binnは似非ドイツ語で、「減圧瓶」って書いてあります。発音だけ。

2 個のコメント。書きます?:

SAS said...

暇人乙

と書くのもなんだから、真面目に考えて数分

真面目に考えるのは放棄する事にした@@



ちなみに「温度が下がるかぎり沸騰をつづけ」という表現はどうも違和感を感じる。

温度が下がると内部の気圧が下がるから、内部の沸点が下がる。
沸点が内部の温度を下回った場合に沸騰する、という話では?

状況をよく把握してないんだけど、瓶を冷ます時って実際どうなるの?
瓶(境界部分、壁)が冷めれば中の気圧は下がるの?そんで中身の温度はあまり変化しないというのであれば、中身の温度を保ったまま気圧を下げられるんだから、「温度が下がるかぎり沸騰をつづけ」という表現もアリなのか。


しかし台所が広いって良いね。
広くても実験はしないと思うけど。笑

やみ said...

我暇人


>温度が下がると内部の気圧が下がるから、内部の沸点が下がる。
>沸点が内部の温度を下回った場合に沸騰する、という話では?
そうだよー。

この系は、ごくゆっくり冷ます分には、沸騰が起こるギリギリの温度をずっと維持しながら冷えてくの(相図上は気液共存線をなぞることになる)。そのとき蒸発はたんに液体表面からだけ起こって、沸騰まではいかない。
けど水をかけたりして急激に冷ますと、一時的にしろ蒸発だけじゃ間に合わないくらい圧が下がって、それが沸騰としてあらわれる。



>瓶(境界部分、壁)が冷めれば中の気圧は下がるの?そんで中身の温度はあまり変化しないというのであれば、
現実的にはこれが一番近いきがする。
たんに熱膨張の逆やって体積減ってるんじゃないってのが大きい。

「ゆっくり冷める」ってときは、系全体がわりと均一に冷却されてると思う。
けど「水をかける」ってなると、とりあえず金属製で薄いフタが一気に冷却されて、その裏側で凝結が起こる。これで気体がいっぺんに減ったせいで蒸気圧が足りなくなって、その瞬間沸騰がはじまる。
たぶん瓶の温度ムラが解消されたころには沸騰も止まってる。

そうかんがえると、水が最強に近い比熱を持ってるってことが、この瓶のミソって気がしてくるな。



狭くても実験はするよー。