2010-05-21

その絵か如何にして得んやと

スパイス写真で思い出しました。
まえしぇりタンに「手前とか奥をぼかすのってどうやるの?」
とか聞かれたこと。

そんときはいまいち説明できなかったし、
いまちょうどいい写真もあるし、
そんなことを書いてみようかと。


↓ちょうどいい写真↓



スパイスレインボー!
まあなんて分かりやすいイグザンポーでしょう。


ピントは手前のローリエ瓶にあたってて
奥に行くほど強くぼかしがかかってる。

この写真をどうやって撮るのってはなしだけど、
結論から言っちゃう。
ちょっと離れたところから、
軽くズームにして、
絞りは開放で、
フラッシュを焚かずに、
撮りましょう。

順番にせつめーするよ。



まず、ちょっと離れて望遠で。

小さいものを狙おうってとき広角接写したくなるのは人情ですが、ここはぐっとこらえて望遠です。
広角(望遠の反対ね)だとレンズの歪みで絵がすげえことになっちまいますぜ。
歪みは歪みで楽しいけど、遠近感が不自然に強調されるので、この手のアングルには向かんです。


まあ百聞はなんとかです。見比べてみよう。




P5215448 広角歪み比較2
いちばん広角、いわゆる等倍ズームで撮るとこう。




P5215449 広角歪み比較3
これは2倍くらいのズーム。
人間の視界はこのくらいと言われている。




P5215450_1 広角歪み比較1
もっと進んで、これは5倍くらいの望遠。




みてのとおり!
広角だと近くのものが必要以上にでかく映る。
広角だと距離感が狂う(2つの瓶の隙間はいま1cmくらいです)。
広角だとぼかし付けんのがむずかしい。
広角だと近づかなきゃ撮れない。
↑自分の顔とかレンズが映り込んだり影になったり。

広角の仕上がりはシロートっぽくなりがち。
「なんも考えずに撮りました」ぽい写真から脱却するなら、
基本いつでもちょいズーム!
集合写真のときも覚えとくとひと味違うよ~


動画でさらにわかりやすく!
被写体から離れながら望遠してみました。






広角は絵が歪む!
↑中央が球っぽく膨張して映る、角は斜めに引き延ばされる。
↑例:スパイス瓶が頭でっかちに映る
↑例:カーブミラーみたいな絵になる
↑例:犬の鼻でか写真 [www.hanadeka.com]


なんとなれば、人間の視界より広い範囲をいっぺんに写して1枚の画像にしてるわけで、その無理のしわ寄せが歪みになって出てくるってわけよ。その意味ならカーブミラーも同じだな。

それで件のスパイスレンボー写真の場合だけど、7倍ぐらい(このての数字は撮影したjpgファイルにexifつうメタデータの形で記録されてますぜ)の望遠で撮ってるぽいですね。

広角だと被写体周辺まで余計に映るってんで困った覚えがあります。たぶん部屋が汚かったんでしょうな。


※「○倍」って数字は実はカメラごとに基準が違うので曖昧だけど、
ふつうのコンデジなら3倍くらいが使いやすい?

厳密には「35mm換算におけるレンズ焦点距離が50-80mm程度」などと申します。
スパイスレインボーの場合「35mm換算で170mm相当」。




絞りは開放すべし。

遠近ぼかしのかかった写真を撮りたいわけです。
奥も手前も全部ピント合っちゃってるよ的状況は、困るのです。
つまり、ピントはなるべく狭い範囲にしか合ってほしくない。
光学機器の常として、絞りを開けば、ピントは狭くしか合わなくなります。



P5215481
広角、f/2.8
うまくぼけてる。



P5215480
広角、f/8.0
バックのキレイじゃないところまでしっかり映ってる……



f値というのが絞り具合を表しております。
変更できるようなら、できるだけ数字を下げてみてください。
ちなみに望遠にするほど最低値が高く(下げづらく)なります。

Autoモードしか選べない、f値をいじれないコンデジの場合は……
たぶんデフォでわりと解放側に設定されているのではないかと思います、よ。
だから気にしなくておk!




フラッシュは禁止。お兄さんとの約束だ。

部屋ん中 ⇒ 暗い ⇒ そうだフラッシュがあるじゃないか!



P5125384_1
⇒ こうなる




並べろ、瓶どもを!

広角だと遠近感が強調されました。
望遠にすると逆に遠近感は希薄になるます。

遠くも近くもおんなじに映るようになるのです。
「望遠レンズの遠近圧縮効果」とか呼ぶらしい。

望遠するときは、圧縮効果に対抗できるだけの距離差を、さきに用意しておくのがよいです。



P5125398 瓶の配置
これは実際に撮影に使われた瓶どもの配置。
左は50cmの定規。



実際にはこれくらいの距離差で撮ってますよってあれです。
じつは瓶の角度もちょっとずつ違うんだぜ!
あと右上ちょろっと見えてる白いやつはスクリーン(ついたて)。
これで後ろに変なもの(主に本棚)が映らんようガードしております。




どこにピント合わせるか

いろいろためします。
試してみるしかないっぽいです。

撮ってるとき良かったやつより
あとでみたら別ののが良かったとか
ザラにあるのです。

そんな別候補たち。



P5125389 候補3
花椒ピント。



P5125387 候補2
パクチーピント。
さいしょはこっちが第1候補でした。




とうぜん、アングルもいくつか試しとりますよ。
「1/3ルール」と「向いてる方に空白を」の原則にのっとって
被写体の右側に(左はNGね)アキを入れるのも
けっこう良さげです。


そんなのを
いろいろ撮ったあとに
PCでみて選びます。




じつはかなり高い撮影難度

中~大望遠
部屋取りフラッシュ禁止
画質重視

これは……
まあシャッタースピード厳しいですわな。

1/6秒、ブレまくり。
失敗写真10枚(10倍)は覚悟しておきましょう。




汚物は消毒だー!

写真は補正だー!

補正は画像でウソをつく技術です! まあ! なんてひどい!
でもさウソも方便っていうよねっ?
「カメラが拾えなかった自然の色を記憶通り再現する過程」が補正です!
っていえばなんかいい話っぽく!

そんなわけでがんがんレタッチ入れていきますよ。



P5125388p 補正前
撮れた画像



部屋で撮るとどの写真もたいがいこんな風な映りですね。
細かい説明は抜きです。

  1. トリミング(今回はなし)
  2. 蛍光灯の緑っぽい色被りを消す(ホワイトバランス調整)
  3. 全体明るく、黒は強く
  4. コントラスト増、彩度増
  5. 周辺光量補正(四隅が暗いのを消す)
  6. 色収差補正
  7. シャープネス調整、ノイズ制御
  8. バックの白を机のアイボリーに近づける
  9. スクリーンと机の境界線を消す

で、こうなるわけです。


スパイスレインボー!
……同じ画像ですよ?




カメラが拾えない色の代表格といえば、桜のピンク色です。
写真に撮るとどの花びらも真っ白に映ります。
だから補正で記憶通りのピンクに染めるのです。
……ほ、ほんとうだよ? こればっかりはプロでもみんなやってるはず……!

さいきんのデジカメは「室内モード」とか「風景モード」とかあって
撮った瞬間に補正かけて保存してくれたりするみたいね。

ともあれ、
蛍光灯の下で撮った食いものが不味そうで困るってひと
「ホワイトバランス」で検索してみたら
しあわせになれるかも、よ。




結論もっかい言っちゃう。

いろいろ並べて、
スクリーンも立ててから、
撮影にのぞみます。

ちょっと離れたところから、
軽くズームにして、
絞りは開放で、
ピントいろいろ変えつつ、
フラッシュは焚かずに、
撮りましょう。

おわったらPCで見て、
いちばんを選んで、
納得いくまで補正、補正、消毒、補正!


え……? そんな、ぼかしツールで背景だけ飛ばせば良いであろうPhotoshopの科学力は世界一ィィィィ!なんて寂しいこと言わんでください……




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