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【萌えごみ自由研究】「舌は先っぽが甘さを強く感じる」は本当か? ~前篇~

舌に関して、こんな話を聞いたことはないだろうか。

「舌の先っぽは甘さを感じる」

「奥の方は苦味を感じる」

「苦い薬でも苦味ポイントよりずっと奥に押し込めば苦くない!」



ご存じ舌の味覚分布というお話。図にすると



舌その1
(絶望してる先生の画みたいになってしまった)



こんなふうになっているやつ。

ふーんなるほど。納得納得。

ってなるか!?

これを見て、ちょっと待てい、と思わないか!?



だって、甘酸っぱいリンゴを食ったとき
舌先と舌横でべつべつの味に分解された、
って経験はないぞ! ないはずだ!

グレープフルーツをかじったとき
酸味と甘味と苦味がべつべつに知覚された、
なんて聞いたことがない

あとこの図からはうま味ってやつがのけ者にされてる!
基本5味のうちの1つが完全に忘れられてるこの図が、
はたして正しいと言えるのか!?

……、

| 味覚分布 嘘    |  [ 検索 ] ポチッ

……。

検索結果をひとことで言うと、

賛否両論。

『味覚分布の地図。スマンありゃウソだった』
ウソと断言しているサイトや、

『実は、舌の部位によって感じる味が違うのです』
味蕾の構造図のとなりに味覚分布図を堂々と載せてるサイト。

どっちが正しいんだYO!



結論:自分で試してみるしかない

これはもう試すしかない。萌えごみ的に。

自分で実験したことのないひとが
余所からの知識を鵜呑みにして書くのが悪いのだ。
水掛け論に私が終止符を打ってやる!

DIYが信条のエセ生物屋やみである。
そうと決まれば実験計画なんてすぐだもんね!

  • ○○味の液(濃いめ)を用意する。
  • 舌に液をつける。○○味がわかるかどうかを判定。
  • 味がわかったら液に水いれて薄める。また舌につける。
  • 薄めては味判定~の流れを繰り返す。
  • どんどん薄くしてって、わかんなくなった濃さが限界
  • 部位×味のパターン別に敏感さを集計。


こんな感じのを想定しながらちょろっと予備実験しまして



必要そうなもの集めてみた




_DSC2548_1
若干ヤバそうなものも含まれています。
ハッカ油ってマズいよね。




まずは味の液をつくります(道の駅みたいです)

甘味を例にとって実験の流れを説明。

調べるのは甘味なので砂糖を用意。
できるだけ混じりっけのない方がいいということで、
ここは上白糖じゃなくグラニュー糖をチョイス。

ほんとうはブドウ糖がほしかったのですが、
薬局3軒回って見つからなかったので諦めました。




甘味源
甘味源 sugergen



混ぜたりする用にちっさい容れ物がたくさんいるってんで、
用意したのがたくさんの小瓶たち。



_DSC2562_1
空のスパイス瓶を洗ったやつです。



それと量り。瓶といっしょに写ってるやつです。



_DSC2657_1
裏面のスイッチに「北海道」とか「関東」とか書いてあって、
これで地域を選ぶと地球自転及び重力の誤差を修正してくれる。



キッチン量りのくせして、なんかやたらに精度が高い。
こんなんが電器屋さんでふつうに売ってたんです。すげー。
でも1g精度の量りと値段同じっておかしくね。

料理用には絶対オーバースペックだと思うけど、
このとおりブログ用には便利なのでおすすめ。



_DSC2569_3
この瓶は60.4グラム。
息がかかっただけで数字が反応するレベル。



瓶をつかって砂糖10.0g量ります。



_DSC2631_2
末端価格キロ400円の白い粉を、正確に10.0g



次に砂糖を水で溶かす

舌は水に溶けてる味しかわからないので、
粉は水に溶かす必要があるんですね。

水といっても、水道水は塩素味がするのでNG。
蒸留水的なものを使いましょう。

精製水というのが薬局にあったのでこいつを買ってきた。
500mlで68円。スーパーで売ってる水の方が高いぐらい?



_DSC2611_1
マイクロピペットの手つき。



砂糖10.0gに水10.0gを足したので、ぜんぶで20.0g



_DSC2645_1
溶けかけの微妙な透明感が良いね。



水10に砂糖10ってなかなか溶けないのね。
レンジで暖めてなんとか溶かしました。

(温度によっても味覚は変化するので、室温になるまで冷まします)



できた液を舌に載せます

予備実験では綿棒を使ったのだけれど、
それだと味が分かりづらかったのでパス。

今回は綿棒のかわりに濾紙を用意。
これも薬局で売ってた。なんで。




_DSC2674_1
かわいいちび濾紙を




_DSC2684_1
ハサミでいちょう切りにします。



関係ないけど、薬局にあるオブラートをおやつにするのが最近ちょっとマイブーム。
聞いた話、メーカーによって味が違ったりするらしい。




_DSC2692_1
ピンセットで液に浸けた濾紙を
(鏡で部位を確認しつつ)ベロにのっけるのだ。




こんなふうに


わかりやすい実験の説明




おお!
おおおおお!!
おおおおおおおおおおおおおお!!!


味がするよ!


ジェクト少尉その2



ジェクト少尉(ビジュアル初公開)もこの味の喜びにうち震えております。

では実験を続ける!





舌その2



液をぜんぶの部位に一通りつける

ティスティ!とか感動しつつ。

*注意点*

1回判定するごとに、水で口をすすがなければならない。

元の味がちょっとでも口に残ってると結果が狂う。

あと、たまに間違って変なところに濾紙が落ちたりする。
これも口すすいでやり直し。

予想を遥かに超えた手間。うほほい。

でぜんぶ終わったら、



液を薄める

濃さを半分にした液をつくる!



_DSC2756_1
数字を合わせる瞬間て楽しい。



10/10砂糖水を5.0gとって、
上から水を5.0g足すと、
濃さが半分の5/10砂糖水ができあがる。

※ほんとうは5ml+5mlでやりたかったけど、
このピペットの容量がかなり適当だったので、
5g+5gで妥協している。




_DSC2718_1
水を足したときの「ゆ~らゆら」がすげえきれい。
ぜひ写真フルサイズでどうぞ。



薄めた液を、また7つの部位につけて判定。

さらに液を薄めて、また7部位で判定。

味が分からなくなるまで繰り返す!



せーせきはっぴょー!

濃さ6段階の液を7スポットにくっつけたので、
失敗含めて都合50回ぐらいベロあい~んした計算になりますね。
とにかく、結果がこんな感じででてくるわけです。



_DSC2750_1



ではその気になる勝者は!?



スポット
1 g/ml
0.5 g/ml
0.2 g/ml
0.1 g/ml
0.05 g/ml
0.02 g/ml
先(甘)






側前左(塩)

×




側前右(塩)



×


側奥左(酸)

×

×


側奥右(酸)

×
×
×


奥(苦)


×
×
×
×
中央(?)



×




◎:はっきり甘い
○:かすかに甘い(味が分かるまで時間がかかる)
×:味がわからん(水じゃあない、としかわからない)
-:水と同じ


この結果から、
甘さを感知しちゃうグランプリ一位は舌の先っぽ!

「舌は先っぽが甘さを強く感じる」は本当だった!




_DSC2730_1
グラニュー糖希釈六系列ずらっと




長いので次回に続く!

コメント

あっとん さんのコメント…
ジョイはまずいだろwww
やみ さんの投稿…
>あっとん
次回のネタバレはやめてください!(キリッ