2010-12-11

冬の被写体は難しい。というか鬼畜。

つくばでがんばって星を撮ってみる

秋ステージがEASYだとすれば、冬ステージはVERY HARD。
初見殺しにもほどがあろうって。
冬だってイベント盛り沢山なのにね。


イルミネーション
→ ピンぼけ、ブレまくり、やたら暗い、ノイズだらけ。

一面の雪景色
→ 一面の汚らしいグレー絵

クリスマスケーキ
→ フラッシュ焚いて残念写真のできあがり

初詣
→ ブレブレ + ノイズノイズ & 友達の顔フラッシュお化け


中でも!
屈指の難しさを誇る!
星空!


星空
→ なにも写らない


笑っちゃうけどマジでなんも写りません。
細かく言うとこう。


星空
→ ピント合わない

星空
→ 液晶見てもどこ撮ってるのか判別不能

星空
→ ブレまくり

星空
→ 撮れた画像になにも写ってない


まあ、
「すげー星きれー!」とかって
持ってたカメラ空に向けたけど
ピントがまったく合わなくて、このカメラ肝心な時に…… って悪態つきながら
点滅してる「AF!」マーク無視して無理矢理シャッター押し込んだら
フラッシュがまぬけっぽく遅れて光りやがって、
そんでもってやっと撮れた画像には
フラッシュ焚かれた民家の屋根と電柱だけ見切れてました
なんて、だれもが一度は通る道よねーってぐらい
カメラ持ちとしてはポピュラーなあるあるネタですが……




外法を駆使すれ

暗すぎる星空に対抗する正攻法↓


真っ暗でなんも写らない
→ マニュアルモードで長時間シャッター

真っ暗でオートフォーカス効かない
→ マニュアルフォーカス使う

長いシャッターで超ブレる
→ 三脚で固定

シャッター押しっぱ1時間とか超辛い
→ リモートケーブル使え


まあふつう三脚やらリモートケーブルなんて持ってないので、
あるものの範囲でむりやり挑戦してるうちに
バッドノウハウがいろいろ蓄積するわけです。


マニュアル撮りできるカメラじゃない
→ エセ長時間シャッター

マニュアルフォーカスなんて使えるカメラじゃない
→ エセMF

三脚とか持ってない
→ エセ三脚


まずエセ三脚のやりかた。
地面に固定して夜景モードで撮ります。
地面にそのまま置いても地面が写って終わりなので、
下に石とか置いて角度をつけましょう。
ベランダから見える星なら、
手すりに輪ゴムでカメラ巻き付けて固定でもOK。


つぎエセMFのやりかた。
ピントが無限遠に合いさえすればよいので、
遠くのビルあたりに向けてAF半押し固定してから
そのまま空に向けてシャッター押し込みましょう。


かつてのリンパ君で撮った写真はだいたいそんなんです。
これなんかね↓




PA101011
石の上でボタン押さえたまま1ミリも動かせない15秒間だよ!
もう息が詰まるよ!
しかも車とか目の前通ってるよ!
鉄のハートで無視だよ!
周り電灯だらけの駐車場だよ!
それでもオリオンがこのくらいに撮れるよ!




ちなみに車が前を通り過ぎる間は
レンズにカバーかけとけばやり過ごせます。



さいごエセ長秒間シャッター。
長いシャッターが切れないカメラで、
短いシャッターを時間差で大量に切って後で合成するってやりかた。
ストップウォッチ持って機械のように等間隔で撮り続けましょう。




asdasdsa
リンパさん。15秒露光×1分ごと×30分。
なかなかに心の折れる作業です。




これをPhotoshopで合成。
「スクリーン」とか「比較(明)」モードでひたすら重ねる。
星の動きが数珠つなぎに写るエキセントリックな絵ができます。




PB274124_a
スクリーンで重ねる。
明るさをどんどん足してく方式。ノイズが増える。




PB274124
比較明で重ねる。
いちばん明るいとこだけ採用方式。ノイズ変わらない。




PB274124_ab
差の絶対値で重ねる。
飛び出た部分を検出方式。ランダム要素(ノイズ)は打ち消しあって減衰。



リモートケーブルも持ってない
→ 写界に入らないように注意。たぶん地べたに座ることになる。そのままシャッター押しっぱで1時間耐えろ。全身寒いし指も痛くなってくるしでほとんど拷問だけど。




外法を使わないで撮れると、ずっとスゴい!

そうやって楽しくむりやり撮ってたのも今は昔。

いまややみは
一眼 + 三脚 + リモートレリーズなる装備を所持しております。

いまややみは
最高の星撮りポイントを見つけてしまっております。


星撮りポイントってのは、
全方位地平線近くの空まで見渡せて、邪魔な光が入らない、車も通らない場所。
少なくても数百メートル四方に建物の無い土地が必要。
こんな地方都市じゃどう考えたって人口規模的に無理な条件。

建物の屋上に登ってみたりもしたけど、結局ダメなんだよね。
給水塔とかひとが登れるより一段高いところにあったりするし。
周りなんか航空障害灯の明かりだらけだし。

……て思ってたんだけど
探せば見つかるもんです!
数ヘクタールの規模で明かりのない土地!
全方位1km近く高い建物のない土地!
いざ探してみるとぜんぜん見つからない条件!
実際来てみるとかなり感動します!
これだ! この場所こそが!




ポイントに到達。気温4℃。風北5m。

この気温まだそこまで寒くない。

なんと三脚が壊れました。早くも装備にケチがついたわけですが、
蓄積したバッドノウハウでしのぎます。
雲台だけリリースして敷石の代わりに。
わりと使えます。

そんなアレ状態で、
とりあえずプレビュー撮りしたのがこちら。




オリオン座!
-オリオン方面-




肉眼でもちょうどこのくらいの数の星が見えます。
見えて二等星、がんばっても三等星で限界、ぐらい。
おなじみオリオンの身体と、その左にシリウス。
ほかにも細かい星がちらちら。

地方都市としての人口規模を考えると
この見え方ですらもう
目を見張る程度に驚嘆の星空って感じなのですが、

それだって実際にはこのくらい↓




光害ってこんなもん




の光害があります。

なんじゃこりゃ。
夜空が黒くない。グレー。
地面より空のが明るい。
周りに何もない地面より
遠くの光を反映する空のほうが
肉眼で見てもわかるくらいに明るい。
これが光害。

このへん近くだと、野球場と陸競場が稼働してる時間帯
その方角は二等星ですら見えなくなります。

※月は居ませんぜ。不在時を狙ってるので。


まあ、街から数10km離れない限り光害はもうしかたないので
影響を最小化しつつ撮るしかないっす。
そうして、オリオン座方面を500秒間露光してみました。




オリオン座 500秒露光




500秒間露光なので
500秒のうちに動いた跡が写ってます。
光害対処方もバッドノウハウってことになるのかな。
とにかく、
このきったねーグレー写真を
なんとか復活させてみます。




オリオン座 500秒露光 (2)




簡単に説明すると、
いちばん暗いグレーを黒にします。
いちばん明るいグレーを白にします。
その間を引き延ばして階調を復活させます。
ベテルギウスの赤、シリウスの白、夜空の青、色が戻りました。

このあと、さらに暗部を立ち上げて救出してみます。




オリオン座 500秒露光 (3)




ちょっとびっくりするぐらいの数の星が見えてきました。
これが全部目で見えたら本当素晴らしいのだろうにねぇ。
まあここら辺じゃ画像処理で存在を確認するぐらいが関の山ですわ。




第二射⇒北極星

天の北極。
そんでもってこぐま座αポラリス・二等星。
2010年現在の北極星。

こいつらわりと低い空にあるせいで、
地上物が邪魔になって、ぜんぜん狙えない。
周りの星まで入れた絵にすることを考えると、
狙える撮影ポイントはまず皆無というか。

まあ北極星、動かないしね。
時間帯選べばふつうに撮れる他の星座とはわけがちがう。

今回それが撮れる!

もういとも簡単に!





ぐーるぐるっ
一時間露光。




気温2℃ → 0.5℃のなか1時間。
3℃の違いだけど死ぬほど死ねました。さむい。
わりと死にそうになりながらできあがった絵です。
これを持ち帰って補正すると




天の北極! 北極星!
こうなる。




ようやく撮れたポラリス!
もうなんか嬉しすぎる!




三脚さえ壊れてなきゃ……

あと1ショットぐらいは持ち帰りたかった!

まあポラリスに積年の借りを返せただけでも良しとしましょう。

星撮り楽しいんで挑戦してみることぜひにおすすめします。




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