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冬の帰り道に

カメラをかまえていると思い出します。

吐く息が白く広がっていって、
そのむこう自転車がフレームの奥に通り過ぎるのを待って、
息を止めて、脇を締め、続く1/6秒ブレずに保持できるイメージを堅め、
あくまで冷静に心臓を抑えて人差し指をゆっくり押し込んでいく、
一連の動作をなかば無意識に組み立てるイメージ。



ホット



この日も、サークルが終わってからは女の子を送っていきます。
彼女らの自転車は僕がこぐよりずっと遅くて、だから僕もゆっくりになります。
走りながら話すこともなくなって景色をながめていると、
そのうちにいい被写体がみつかったりします。

「あ、この構図いい」「あそこ光の具合がすてき」
「帰りはここでカメラ構えてみよう」って。



近く遠いユメ



それはきっと。
戻ってきてファインダー越しに覗いてみればなんてことはない景色で、
ただ道路脇のきったねえ絵にしかならないんでしょうけど。
それでも そんな景色を一度は「いい」と思えたなら、
がんばればもしかして「いい」絵に写し撮れるかもしれない。



往く先は



そうやって なんでもない景色に魅力を写し取れるひとこそ、
写真のうまいひとっていうものなんだろうとか考えながら、
数枚の絵を撮るのに結局30分も1時間もかけて、
指先が動かなくなるぐらいに冷えてからやっと帰り道に戻るのです。



光枝



部屋に戻って、撮影したデータを確認してみると、
やっぱりしょうもない写真ばっかりが残っています。
ひいき目に探しても、ちょっとだけ「いい」絵の面影が、1枚にだけ。
1枚だけ。それだけで満足。
満足して、カメラはまた今度も持っていこう、ってなるんです。



なんてポエムでしたぁ☆(ゝω・)vキャピ

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