年越し前に上げたかった記事の一位です。自分が忘れちゃいそうで。
前回『α』
ちょっと前回のに補足。電池の裏にあった変なシールだけど、これが「水没シール」と言うもんらしい。
「水に濡れるとインクが滲んで不可逆的に見た目が変わる。レンジで乾かしても戻らない」だそうで。
というわけで、ちょっと水につけてみました。
……これは一発でバレるね。
滲み用インクが水溶性マイクロカプセルか何かに入ってる、とか?
水没した携帯は、見た目ふつうでも修理に出すと確実に全損扱いになるっていう、そのわけがこれです。
まずはV氏の旅立ちを祝って記念撮影です。
氏はこれから永遠の夏のその彼方へと飛んでゆかれるのです。合掌。
こんかい画面関係の分解なので、充電しつつ電源入れっぱなしでヒラきます。充電中を表す「充」を「みつる」などと読んではいけません。
# ボタン電池外したせいかな、さいしょ内部メモリがおかしくなってて画面真っ白でした。全リセットかけたら直った。
## 破壊したのがセンターキーだったのは選択ミスだったと今更ながらに思う次第。メニュー操作して全リセットまでたどり着くのが苦難の道でした。
傾けて見ると色転びが酷いので、たぶんTNパネルでしょうな。まあ分解すればわかります。
最近の携帯はどれもだいたいVAパネル使ってるけど、いつごろTNから切り替わったのかね。
たまに「H-iPSパネル (VGA) 採用!」なんて変態機種があって、ひどく食指が伸びる思いのやみです。
ビスを外したら、ツメを押してふたを開けます。ここは前と同じなので割愛。
さあ基板が顔を出しました。画面が入ってると見た目のかっこよさが違うね!
まずは外したカバーを見てみましょう。
スポンジっぽいやつはシールみたいに剥がれる。
上のほうにはよくわからん金具が入ってる。
光沢が出てるとこは別部品。液晶の窓はやたら丈夫です。
照明LEDのシェードにあたる部分。
光を散乱させてまぶしさを軽減しているらしい?
シェードの上にはまたもや謎の金具が。
重さ覚悟でこんなものをくっつける理由はなんだろう……。
細かい部品ども;
謎金具1、謎金具2、シェード、パッキン。
画面側に戻ってきました。
二枚目・画面の上、にょろ♪って赤黒のリードが出てるけど、これが受話用スピーカーの線。
画面の下の基板は液晶制御とは無関係のカメラユニット。わりと大っきいチップにSANYOって書いてあるけど、これのちょうど真裏にレンズがあります。
ってことはこのチップは撮像素子なのでわ? はい、たぶんそのとおりです。
ちなみにSANYOチップの左下にLEDっぽいのが見えるけど、これ実はフォトダイオードです。携帯はこいつでもって外の明るさを知ります。そいで「暗いところでは画面は暗くして、かわりにキーボードは光らせる」みたいな動作ができるようになるわけです。上の方にある分解前写真には、同じ位置に測光用の窓が映ってます。
照明LEDに近づいてみました。いちばん暗い撮影設定。
三か所で光ってるからRGBがいっこずつかと思ったけど、違った。
照明LEDを基板からもぎ取って、金属カバーを外してみた。
さらに上の一層(左)を引き剥がしてみた。
この状態でも光るのかは不明。というか構造がわからん。
実体顕微鏡がほしい瞬間です。
受話用スピーカー。着メロ用のに比べてずいぶん小さい。
半田付けリード線はなにげに初登場(!)です。
分解したときの順番からはずれるけど、先にカメラ部行きます。
基板だけ摘出したいので、本体側とのフラットケーブル(?)を切断。
切ってみてはじめて気付いたこと、実はこのケーブル二層になってた。
写真奥のコネクタを外すと、レンズと撮像素子をまとめたユニットが取れます。
レンズユニットのサイズは小指の先ぐらい。
基板にはめられてたレンズを外して、裏返してみました。
あらわになった撮像素子はCMOSかCCDか……
見ただけで判断できる知識はありません。
レンズ側には何に使うのかガラス板が数枚見えます。
レンズ内のガラス板の一枚。むりやり取ったので欠けてる。
これだけ見ても何に使うのかわからない……
撮像素子に最接近してみたけど、表面のパターンは映りっこないね。
やっぱ部屋に実体顕がほしいよぉー
ヒンジってのは蝶番のことです。ようは折り畳み携帯の折り目のとこね。
ここを外せば、いよいよ液晶画面が裸になりますぜ。
本体側とつながってるケーブルに力がかからんように気をつけつつ作業します。
2つの部品の穴を、1つの軸で貫くっていう機構してますね。
なるほどこれなら中にケーブル通してのまま回転できるわけです。
写真だと一瞬だけど、ここ外すのけっこう苦労しました。
軸の耳みたいなとこは実は外せます。
貝柱みたいなこの部品は、切れ目のところで回転します(上下比較)。
開ききったときの「カチっ」って音は、実はこの貝柱から出てました。
さて、上下がケーブル以外は完全に外れたので移動の自由度が増しました。画面側のプラ板はこれで外せます。
横の赤黒にょろ♪はスピーカーケーブルね。
疲れた。まず長いよねこの記事。あと写真の数が半端ない。
画面側の分解写真は撮影枚数ベースで150枚を超えてた。
プロジェクトに使ってるフォルダはいまこれだけで900MB弱の容量食いです。
ついにLCDユニットの解剖に入るやみ。
撮影は困難を極め、時間だけが徒に過ぎてゆく。
一瞬の不注意からガラスを通る一筋の裂け目。
液晶分子が漏れ出し、ユニットに染みが広がる。
気付けば、すでに外は東雲の映える景。
すべてを決然と乗り越え、長く永い分解の旅は この果てへと続いてゆく……
次回携帯分解、最 終 回 『γ』。
前回『α』
謎がひとつ解けたッ!
ちょっと前回のに補足。電池の裏にあった変なシールだけど、これが「水没シール」と言うもんらしい。
「水に濡れるとインクが滲んで不可逆的に見た目が変わる。レンジで乾かしても戻らない」だそうで。
というわけで、ちょっと水につけてみました。
……これは一発でバレるね。
滲み用インクが水溶性マイクロカプセルか何かに入ってる、とか?
水没した携帯は、見た目ふつうでも修理に出すと確実に全損扱いになるっていう、そのわけがこれです。
犠牲者V 外観
まずはV氏の旅立ちを祝って記念撮影です。
氏はこれから永遠の夏のその彼方へと飛んでゆかれるのです。合掌。
こんかい画面関係の分解なので、充電しつつ電源入れっぱなしでヒラきます。充電中を表す「充」を「みつる」などと読んではいけません。
# ボタン電池外したせいかな、さいしょ内部メモリがおかしくなってて画面真っ白でした。全リセットかけたら直った。
## 破壊したのがセンターキーだったのは選択ミスだったと今更ながらに思う次第。メニュー操作して全リセットまでたどり着くのが苦難の道でした。
傾けて見ると色転びが酷いので、たぶんTNパネルでしょうな。まあ分解すればわかります。
最近の携帯はどれもだいたいVAパネル使ってるけど、いつごろTNから切り替わったのかね。
たまに「H-iPSパネル (VGA) 採用!」なんて変態機種があって、ひどく食指が伸びる思いのやみです。
オープン~カバー裏
ビスを外したら、ツメを押してふたを開けます。ここは前と同じなので割愛。
さあ基板が顔を出しました。画面が入ってると見た目のかっこよさが違うね!
まずは外したカバーを見てみましょう。
スポンジっぽいやつはシールみたいに剥がれる。
上のほうにはよくわからん金具が入ってる。
光沢が出てるとこは別部品。液晶の窓はやたら丈夫です。
照明LEDのシェードにあたる部分。
光を散乱させてまぶしさを軽減しているらしい?
シェードの上にはまたもや謎の金具が。
重さ覚悟でこんなものをくっつける理由はなんだろう……。
細かい部品ども;
謎金具1、謎金具2、シェード、パッキン。
基板総覧
画面側に戻ってきました。
二枚目・画面の上、にょろ♪って赤黒のリードが出てるけど、これが受話用スピーカーの線。
画面の下の基板は液晶制御とは無関係のカメラユニット。わりと大っきいチップにSANYOって書いてあるけど、これのちょうど真裏にレンズがあります。
ってことはこのチップは撮像素子なのでわ? はい、たぶんそのとおりです。
ちなみにSANYOチップの左下にLEDっぽいのが見えるけど、これ実はフォトダイオードです。携帯はこいつでもって外の明るさを知ります。そいで「暗いところでは画面は暗くして、かわりにキーボードは光らせる」みたいな動作ができるようになるわけです。上の方にある分解前写真には、同じ位置に測光用の窓が映ってます。
照明LEDに近づいてみました。いちばん暗い撮影設定。
三か所で光ってるからRGBがいっこずつかと思ったけど、違った。
照明LEDを基板からもぎ取って、金属カバーを外してみた。
さらに上の一層(左)を引き剥がしてみた。
この状態でも光るのかは不明。というか構造がわからん。
実体顕微鏡がほしい瞬間です。
受話用スピーカー。着メロ用のに比べてずいぶん小さい。
半田付けリード線はなにげに初登場(!)です。
カメラ解剖
分解したときの順番からはずれるけど、先にカメラ部行きます。
基板だけ摘出したいので、本体側とのフラットケーブル(?)を切断。
切ってみてはじめて気付いたこと、実はこのケーブル二層になってた。
写真奥のコネクタを外すと、レンズと撮像素子をまとめたユニットが取れます。
レンズユニットのサイズは小指の先ぐらい。
基板にはめられてたレンズを外して、裏返してみました。
あらわになった撮像素子はCMOSかCCDか……
見ただけで判断できる知識はありません。
レンズ側には何に使うのかガラス板が数枚見えます。
レンズ内のガラス板の一枚。むりやり取ったので欠けてる。
これだけ見ても何に使うのかわからない……
撮像素子に最接近してみたけど、表面のパターンは映りっこないね。
やっぱ部屋に実体顕がほしいよぉー
ヒンジ
ヒンジってのは蝶番のことです。ようは折り畳み携帯の折り目のとこね。
ここを外せば、いよいよ液晶画面が裸になりますぜ。
本体側とつながってるケーブルに力がかからんように気をつけつつ作業します。
2つの部品の穴を、1つの軸で貫くっていう機構してますね。
なるほどこれなら中にケーブル通してのまま回転できるわけです。
写真だと一瞬だけど、ここ外すのけっこう苦労しました。
軸の耳みたいなとこは実は外せます。
貝柱みたいなこの部品は、切れ目のところで回転します(上下比較)。
開ききったときの「カチっ」って音は、実はこの貝柱から出てました。
さて、上下がケーブル以外は完全に外れたので移動の自由度が増しました。画面側のプラ板はこれで外せます。
横の赤黒にょろ♪はスピーカーケーブルね。
とりあえずひと区切り
疲れた。まず長いよねこの記事。あと写真の数が半端ない。
画面側の分解写真は撮影枚数ベースで150枚を超えてた。
プロジェクトに使ってるフォルダはいまこれだけで900MB弱の容量食いです。
次回予告
ついにLCDユニットの解剖に入るやみ。
撮影は困難を極め、時間だけが徒に過ぎてゆく。
一瞬の不注意からガラスを通る一筋の裂け目。
液晶分子が漏れ出し、ユニットに染みが広がる。
気付けば、すでに外は東雲の映える景。
すべてを決然と乗り越え、長く永い分解の旅は この果てへと続いてゆく……
次回携帯分解、最 終 回 『γ』。
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