スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

12月, 2023の投稿を表示しています

真冬に浴槽の残り湯を捨ててはいけない。さもなくば給湯器が壊れる。

住設の説明書をつぶさに読んでみると、知りもしなかった重大注意事項が多数記載されている。特に冬期の給湯器運用には罠が多いのでいくつか紹介してみたい。 なお我が家の給湯器は都市ガス仕様のリンナイ RUF-K245SAW(A) であった。 浴槽の残り湯を捨ててはいけない 給湯器本体の説明書より抜粋 これは以下のような趣旨である: 冬期に内部配管が凍結すると、高価な給湯器本体が壊れる そのため外気温3℃以下では予防措置が働く ヒーターが自動でONになる 給湯器⇔浴槽 間がポンプで水循環される 水循環のためには、浴槽が水で満たされていなければならない こういった理由により、真冬では浴槽の残り湯を抜いてはいけない。旅行などで数日間不在にする場合など、つい浴槽を空にして洗っておきたくなるが、ダメである(もし捨てたなら新しい水を入れる必要がある)。 ではいつ浴槽を掃除したらいいのか? これは自然、その日の風呂を沸かす直前ということになる。それも短時間で済ませるのがよい。 「前夜もしくは朝方に水を抜いて浴槽を掃除し、夕方に風呂を沸かすまではずっと空っぽ」とかは論外ということになる。 寒冷地では水抜き栓の操作が必要 あまりにも寒いため、凍結防止対策としてヒーター+水循環だけでは足りない地域が存在する。この場合屋外にある給湯器本体の水抜き栓を操作しなければならない。 給湯器本体の説明書より抜粋 雑なスマホゲームみたいなことになっている。「栓を開けてヒーローを助けろ!」 この対策をとるべきケースとして挙げられているのは 外気温がマイナス15℃以下 外気温3℃以下かつ停電している 長期で家を不在にする 停電時はよもやすると忘れてしまいそうなので注意が必要に思える。 給湯器の電源がOFFの状態でお湯の蛇口を開けてはならない 給湯器リモコンの説明書より抜粋 消火されてはいるがまだ熱い本体内部に、 突然冷たい水がどっと流入すると、 温度差で内部が結露して壊れる ということらしい。温度差が問題なので外気温が低いときほど影響が大きいことになる。 追い焚きは最小限に済ませるべきである 追い焚きは便利だが、デメリットも多い。以前の我が家では風呂水の節約のため「通常の湯沸かし」「冷え切った前日の残り湯を水から追い焚き」を1日おきに切り替えていたが、以下のような問題があってやめた。 まず追い焚きは給湯能力が低

Windows11のExplorerでファイル操作が徐々に遅くなる問題を解決できた

Windows PCとは総じて、起動直後は調子がよく、しばらく使っているうちにだんだん重くなり、耐えきれなくなったところで再起動する道具である。 もう平成は終わったというのに、いまだにこんなWindows95や98SE現役だった時代と同じことをやっているのだ。こんなことは生産性のドブだ。 しかしこのほど、数年間にわたって悩まされ続けてきたexplorer遅くなる問題を解決できたようなので、一気に令和最新版コンピューティング環境が到来した感がある。そこでここまで採った対策と失敗の履歴を備忘録として書いておくことにする。 (※時間のない人は「効果のあった対策」節まで読み飛ばすのがオススメです) 関連: https://kirmav.blogspot.com/2023/02/blog-post_10.html どんな問題が起こっていたか どうも検索する限り、同様の悩みを持つ人はあまり存在していない種別の不具合のようだ。しかし自分の環境では完全な再現性があった。 以下にその特徴を記す: explorerでのファイル操作が次第しだいに遅くなる不具合である ファイルのコピー、移動、新規作成など全てが遅い 移動やコピーそのものに時間がかかるというよりは、それらが完了したあとの表示更新に時間がかかっているような感覚 explorerの窓が操作できずフリーズしたような状態で数秒間固まる 操作するファイルの数やサイズには影響されず、0バイトのファイル1つを同一ドライブ内別フォルダに移動するだけでも遅い 遅いだけでファイル操作そのものは正常に完了するし、対象ファイルが破損するということもない 遅いのはexplorerなので、たとえばcmd.exeでcopyやmoveする分には期待通りの速度が出る 同時に開いているexplorerの窓数が多いほど、フリーズの程度が酷くなる 最初から遅いわけではない OSの起動直後は遅くないが、しばらく使っていて気づくと遅くなっている あるタイミングでいきなり遅くなる認識はない 使っている間は常時気づかない程度にゆっくりとパフォーマンスが劣化しているものと思われる OS再起動ないしexplorer.exeの再起動で問題は解消する そのまましばらく使っていると元通り遅くなってくる explorerのフリーズ中もリソースには空きがある メモリは常時半分程度は空い

GoogleKeep → Todoist の同期ができなくなってしまった

1年ちょっと前にこんなQiitaを書いた: Google AssitantでIFTTTの変数入力を再現する 簡単に要約すると それまで GoogleHome → IFTTT → Todoist という形で買い物リストを操作していたところ 仕様変更で塞がれたので、 GoogleHome → GoogleKeep → ラズパイ → Todoist という新しいスキームを作った のであった。 しかし最近になってこのラズパイを経由する方法も塞がれてしまった。これが本記事の内容である。かなしいね。 ※この記事はなにかを解決できた記録ではありません。どちらかというと、ここまで色々試したけど今のところ全部ダメだし諦めよっかな、という趣旨の作業記録です。 いきなり同期ができなくなる ある日突然、GoogleKeepからTodoistへの同期が止まってしまった。 こういうことはたまにある。普段は何も考えず docker-compose restart をかけるのだがこのときは解決しなかった。 docker-compose logs で様子を見るとこんな調子。 Traceback (most recent call last): File "/app/app.py", line 154, in keep.login(configManager.config['google_username'], configManager.config['google_password'], device_id='3ee9002270d00157') File "/usr/local/lib/python3.12/site-packages/gkeepapi/__init__.py", line 703, in login auth.login(email, password, device_id) File "/usr/local/lib/python3.12/site-packages/gkeepapi/__init__.py", line 54, in login raise exception.BrowserLoginRequiredExcept

長いs と 短いs

あまり知られていないが、sには2種類の字形がある という話。 突然ですが問題です。 Q. 下はドイツの看板の写真です。なんと書いてあるでしょう? ……正解は Drosselgasse(つぐみ横丁)でした! ぱっと見「s」っぽい字は1個もないのに、実はsが4つも入ってました!というのがこの話のミソ。 小文字Lによく似た縦棒みたいなのが「長いs」というやつである。 https://ja.wikipedia.org/wiki/長いs  よりスクショ 我々のよく知る普通のsは「短いs」 と区別して呼ばれる。 短いsは語末のみで使うという規則がある。たとえば写真の建物 中央を拡大 この建物に書かれている文字は 左が「Re s taurant Cafe」 このsは長いs 右が「Rat ss tube」 1つ目が短いs、2つ目が長いs Rat s + S tube の複合語だから 評議会 + 部屋 = 評議会室 ちなみにこういう飾りのいっぱいついた字形をフラクトゥール(ドイツ文字とかブラックレター体とも)と呼ぶ。 長いsは古い書き方でしか出てこない 上の写真みたいに、中世のころの古い城塞都市とかでは長いsが出てくる。 でも近代の小説とか看板なら語中でもふつうに短いsを使う。 アウトバーンの標識;フォントはDIN 逆にブランドロゴなどで、意図的に古い歴史や格調高さを感じさせたいとき、ドイツに限らず欧米ではよくブラックレター体が使われる。 たとえば新聞やワインのラベルなど。 日本酒のラベルに毛筆っぽくショドーしてあるのと同じ。 https://www.nytimes.com/2020/04/21/climate/NYT-first-earth-day.html  より これは時代風な書き方をしていること自体がアイデンティティなので、長いsが使われてたりする…… かと思いきや、読みづらさを嫌ってか短いsになってることもわりとある。 ギリシャ文字にもsの語末形と語中形がある ギリシャ文字においてsはシグマで、これにも2種類の字形がある。 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Sigma_uc_lc.svg  より 統計とかで出てくる、普通によく使う方がσで、語末形がςということらしい。 さらに語末形とよく似たϚ(スティグマ)という別物もある。