スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

2023の投稿を表示しています

真冬に浴槽の残り湯を捨ててはいけない。さもなくば給湯器が壊れる。

住設の説明書をつぶさに読んでみると、知りもしなかった重大注意事項が多数記載されている。特に冬期の給湯器運用には罠が多いのでいくつか紹介してみたい。 なお我が家の給湯器は都市ガス仕様のリンナイ RUF-K245SAW(A) であった。 浴槽の残り湯を捨ててはいけない 給湯器本体の説明書より抜粋 これは以下のような趣旨である: 冬期に内部配管が凍結すると、高価な給湯器本体が壊れる そのため外気温3℃以下では予防措置が働く ヒーターが自動でONになる 給湯器⇔浴槽 間がポンプで水循環される 水循環のためには、浴槽が水で満たされていなければならない こういった理由により、真冬では浴槽の残り湯を抜いてはいけない。旅行などで数日間不在にする場合など、つい浴槽を空にして洗っておきたくなるが、ダメである(もし捨てたなら新しい水を入れる必要がある)。 ではいつ浴槽を掃除したらいいのか? これは自然、その日の風呂を沸かす直前ということになる。それも短時間で済ませるのがよい。 「前夜もしくは朝方に水を抜いて浴槽を掃除し、夕方に風呂を沸かすまではずっと空っぽ」とかは論外ということになる。 寒冷地では水抜き栓の操作が必要 あまりにも寒いため、凍結防止対策としてヒーター+水循環だけでは足りない地域が存在する。この場合屋外にある給湯器本体の水抜き栓を操作しなければならない。 給湯器本体の説明書より抜粋 雑なスマホゲームみたいなことになっている。「栓を開けてヒーローを助けろ!」 この対策をとるべきケースとして挙げられているのは 外気温がマイナス15℃以下 外気温3℃以下かつ停電している 長期で家を不在にする 停電時はよもやすると忘れてしまいそうなので注意が必要に思える。 給湯器の電源がOFFの状態でお湯の蛇口を開けてはならない 給湯器リモコンの説明書より抜粋 消火されてはいるがまだ熱い本体内部に、 突然冷たい水がどっと流入すると、 温度差で内部が結露して壊れる ということらしい。温度差が問題なので外気温が低いときほど影響が大きいことになる。 追い焚きは最小限に済ませるべきである 追い焚きは便利だが、デメリットも多い。以前の我が家では風呂水の節約のため「通常の湯沸かし」「冷え切った前日の残り湯を水から追い焚き」を1日おきに切り替えていたが、以下のような問題があってやめた。 まず追い焚きは給湯能力が低

Windows11のExplorerでファイル操作が徐々に遅くなる問題を解決できた

Windows PCとは総じて、起動直後は調子がよく、しばらく使っているうちにだんだん重くなり、耐えきれなくなったところで再起動する道具である。 もう平成は終わったというのに、いまだにこんなWindows95や98SE現役だった時代と同じことをやっているのだ。こんなことは生産性のドブだ。 しかしこのほど、数年間にわたって悩まされ続けてきたexplorer遅くなる問題を解決できたようなので、一気に令和最新版コンピューティング環境が到来した感がある。そこでここまで採った対策と失敗の履歴を備忘録として書いておくことにする。 (※時間のない人は「効果のあった対策」節まで読み飛ばすのがオススメです) 関連: https://kirmav.blogspot.com/2023/02/blog-post_10.html どんな問題が起こっていたか どうも検索する限り、同様の悩みを持つ人はあまり存在していない種別の不具合のようだ。しかし自分の環境では完全な再現性があった。 以下にその特徴を記す: explorerでのファイル操作が次第しだいに遅くなる不具合である ファイルのコピー、移動、新規作成など全てが遅い 移動やコピーそのものに時間がかかるというよりは、それらが完了したあとの表示更新に時間がかかっているような感覚 explorerの窓が操作できずフリーズしたような状態で数秒間固まる 操作するファイルの数やサイズには影響されず、0バイトのファイル1つを同一ドライブ内別フォルダに移動するだけでも遅い 遅いだけでファイル操作そのものは正常に完了するし、対象ファイルが破損するということもない 遅いのはexplorerなので、たとえばcmd.exeでcopyやmoveする分には期待通りの速度が出る 同時に開いているexplorerの窓数が多いほど、フリーズの程度が酷くなる 最初から遅いわけではない OSの起動直後は遅くないが、しばらく使っていて気づくと遅くなっている あるタイミングでいきなり遅くなる認識はない 使っている間は常時気づかない程度にゆっくりとパフォーマンスが劣化しているものと思われる OS再起動ないしexplorer.exeの再起動で問題は解消する そのまましばらく使っていると元通り遅くなってくる explorerのフリーズ中もリソースには空きがある メモリは常時半分程度は空い

GoogleKeep → Todoist の同期ができなくなってしまった

1年ちょっと前にこんなQiitaを書いた: Google AssitantでIFTTTの変数入力を再現する 簡単に要約すると それまで GoogleHome → IFTTT → Todoist という形で買い物リストを操作していたところ 仕様変更で塞がれたので、 GoogleHome → GoogleKeep → ラズパイ → Todoist という新しいスキームを作った のであった。 しかし最近になってこのラズパイを経由する方法も塞がれてしまった。これが本記事の内容である。かなしいね。 ※この記事はなにかを解決できた記録ではありません。どちらかというと、ここまで色々試したけど今のところ全部ダメだし諦めよっかな、という趣旨の作業記録です。 いきなり同期ができなくなる ある日突然、GoogleKeepからTodoistへの同期が止まってしまった。 こういうことはたまにある。普段は何も考えず docker-compose restart をかけるのだがこのときは解決しなかった。 docker-compose logs で様子を見るとこんな調子。 Traceback (most recent call last): File "/app/app.py", line 154, in keep.login(configManager.config['google_username'], configManager.config['google_password'], device_id='3ee9002270d00157') File "/usr/local/lib/python3.12/site-packages/gkeepapi/__init__.py", line 703, in login auth.login(email, password, device_id) File "/usr/local/lib/python3.12/site-packages/gkeepapi/__init__.py", line 54, in login raise exception.BrowserLoginRequiredExcept

長いs と 短いs

あまり知られていないが、sには2種類の字形がある という話。 突然ですが問題です。 Q. 下はドイツの看板の写真です。なんと書いてあるでしょう? ……正解は Drosselgasse(つぐみ横丁)でした! ぱっと見「s」っぽい字は1個もないのに、実はsが4つも入ってました!というのがこの話のミソ。 小文字Lによく似た縦棒みたいなのが「長いs」というやつである。 https://ja.wikipedia.org/wiki/長いs  よりスクショ 我々のよく知る普通のsは「短いs」 と区別して呼ばれる。 短いsは語末のみで使うという規則がある。たとえば写真の建物 中央を拡大 この建物に書かれている文字は 左が「Re s taurant Cafe」 このsは長いs 右が「Rat ss tube」 1つ目が短いs、2つ目が長いs Rat s + S tube の複合語だから 評議会 + 部屋 = 評議会室 ちなみにこういう飾りのいっぱいついた字形をフラクトゥール(ドイツ文字とかブラックレター体とも)と呼ぶ。 長いsは古い書き方でしか出てこない 上の写真みたいに、中世のころの古い城塞都市とかでは長いsが出てくる。 でも近代の小説とか看板なら語中でもふつうに短いsを使う。 アウトバーンの標識;フォントはDIN 逆にブランドロゴなどで、意図的に古い歴史や格調高さを感じさせたいとき、ドイツに限らず欧米ではよくブラックレター体が使われる。 たとえば新聞やワインのラベルなど。 日本酒のラベルに毛筆っぽくショドーしてあるのと同じ。 https://www.nytimes.com/2020/04/21/climate/NYT-first-earth-day.html  より これは時代風な書き方をしていること自体がアイデンティティなので、長いsが使われてたりする…… かと思いきや、読みづらさを嫌ってか短いsになってることもわりとある。 ギリシャ文字にもsの語末形と語中形がある ギリシャ文字においてsはシグマで、これにも2種類の字形がある。 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Sigma_uc_lc.svg  より 統計とかで出てくる、普通によく使う方がσで、語末形がςということらしい。 さらに語末形とよく似たϚ(スティグマ)という別物もある。

ソリオのサブトランクに防災グッズを詰め込みまくって心の安寧を得る

ソリオ(2020~)という車に乗っている。パッケージングがなかなか良くできていて、特にサブトランクが便利だ。 サブトランク is what トランクはわかる。みんな知ってる。 これがトランク。ラゲッジスペースとかいう呼び方もあるらしい。 見ると、床だと思っていたところに紐がついている。 ここを引っ張って持ち上げると、 完全に仕切られた別空間が顔を出す。 こういうのをサブトランクというらしい。 サブだけどけっこうでかい メーカーのカタログに載ってる写真を持ってきた↓ https://www.suzuki.co.jp/car/solio/interior/  より トランクには35Lのスーツケースが5つ載るぜ! というシーンなのだが、実は同じスーツケースがもう1つサブトランクにも入る。 https://dime.jp/genre/1075611/ より サブと言いながらも結構しっかりした空間サイズとわかる。 何を入れるのか ソリオMZのサブトランク容量は100Lあるらしい。SZや4WDではこれより小さいなど、車側の仕様によってサイズは異なる。 また、形状は完全な真四角ではないので100%/100Lの利用効率は達成できない(小麦粉を直接流し込んで運ぶとかすれば別;誰もやらないだろうけど)。 この空間を何に使うのか。おすすめは防災グッズを大量に詰め込む使い方だ。 うちのソリオはここを開けると こう収まっており、すべて取り出すと こうなる。 手前左 車トラブルにとりあえず応急的に対処するお守りみたいなやつ 三角板とかバッテリー関係とか布製チェーンとか それ以外 保存食料と水、紙類、緊急トイレ、車中泊マット、使い捨て食器…… いわゆる防災グッズ 右奥のプラケースは、近い寸法のもの探すと62L衣装ケースというものがヒットした。 ケースの横幅は56cmある。 それがここにすっぽり 収まる。フタもきっちり閉まる。 積んだらあとは忘れられる 防災グッズどもを詰め込む。そしてサブトランクのフタを閉める。 するとこうなる↓ モノが入っているのかいないのかわからないレベルの収まり。日常使いにはまったく影響がない。 これだけ意識させるものがないと、一旦積んでしまえばそのまま忘れてしまって問題ないなという感覚になってくる。 災害対策はとにかく家の収納スペースを奪い合う形にしかならない点が辛

なぜ運転中の顎マスクは耐え難いのかの考察

たとえば買い物に行くとき、当然(〝人によって感覚が異なるだろうが、自分としては当然の行動として〟の意味)店ではマスクをつける。 だが移動中はマスクは不要であるから、適当にカバンにつっこむか顎マスクで済ませる形になる。 自転車では顎マスクが標準。でも車は? 自転車でどこか行くとき、漕いでいる最中はたいてい顎マスク状態である(花粉症の季節を除く)。 運動中はできるだけ呼吸が楽な方がよいし、屋外であれば感染リスクを気にする必要はないと考えられるからだ。 普段は毎日顎マスクで自転車に乗っている。そして十分なサンプル数のもと、移動中に顎マスクでいることは季節や天候にかかわらず不快ではないことを実感している。 一方で、同じ移動中でも車の運転となると話が変わってくる。どういうわけか、運転中は顎マスクの不快感が大変強く、耐えきれず数分で外してしまう。 これも一度や二度のことではない。ちなみにエアコンをつけても止めても同じである。 最初、車という閉鎖空間でマスクをつけること自体が問題なのかとも考えた。しかし観察してみるとそうでもない。 つまり、運転中は顎マスクでいるより、鼻~口~顎を覆うよう普通にマスクをつけるほうが遥かに楽なのだ。これは率直に面白いと感じた。自転車では印象が逆だからである。 これらの違いはどこから生まれるのか? 姿勢の違い 顎マスクで自転車を漕いでいるとき、ふと「自転車とはかなりの前傾姿勢で漕ぐ乗り物だな」と気づいた。スポーツサイクルもママチャリも同じで、体重をかけて踏み込む乗り物であるから自然とそうなる。 これと比較すると、車の運転中は(頚椎保護を考えても)ヘッドレストに後頭部をつけるのが自然なので、基本的にはずっと後傾姿勢でいることになる。 そこで試しに、自転車を漕ぎながら車の運転席をイメージして後傾姿勢を取ってみた。サドルにまっすぐ座り、ハンドルを正面で安定させ、背筋を正し、仮想のヘッドレストに後頭部をつける。 すると不思議なことに、さっきまで気にならなかった顎マスクが俄然不快に感じられてきた。姿勢がマスクの感じ方に及ぼす影響は想像以上であった。 なぜ運転中は顎マスクの不快感が強いのか、に対する個人的な答え 自転車に乗りながらも部分的に車を再現する、もしくは運転中の気持ちを思い出してみるというアプローチはとても有効であった。 色々試してみて得た答えが以下である

QBallトラックボールのマイクロスイッチ交換をやった

チャタリング QBallという往年のトラックボール名機がある。生産終了品で入手困難なので大事に修理しながら使っている。 pcally QBall ボールだけMicrosoft Trackball Opticalのやつ 最近自分が使っているQBallでチャタリングが酷く、まともに使えない感じになってきた。チャタリングというのはマウス等に組み込まれたスイッチの経年劣化によって起きる不良である。 「押しても反応したりしなかったりで安定しない」「一度クリックしただけなのにダブルクリックになった」「ドラッグ中に入力抜けが発生してドラッグ失敗する」などの症状がポピュラーだ。 これらはマウス内部のマイクロスイッチの不良なので、スイッチ自体を交換するという比較的簡単な方法で治すことができる。 とりあえず分解 QBallを分解していって、使われているスイッチの仕様を特定する。 QBallの分解は難しくない。特殊ネジも使われていない。底面のゴム足を剥がす必要はある。 注意点として、左クリック基板を保持パーツから外すためには、先にホイールだけ取り外しておく必要がある。 集積度の低い感じが昔のデバイスらしい風味。 赤いポチの付いている黒い箱みたいなのがマイクロスイッチだ。 さらに基板とフラットケーブルを外して光学センサ部だけにしておく。奥にはすっかり見なくなった砲弾型の赤LEDがのぞいている。現代の設計ならチップLEDか何かになっているんですかね。 適合するマイクロスイッチを探す マイクロスイッチ天面は D の中に IC の刻印がされている。メーカー名の記載はない。 適当にググった情報からDICGUというところのスイッチらしいとわかった。ExpertMouseやOrbitOpticalなんかでも使われているという話。 https://wikiwiki.jp/fpag/%E3%83%9E%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%81 なるほどこんなロゴだったのか 「'DM1' 白台黒殻紅点。1990年代のマウス内でしばしば見られる。」とあり、まさにこれと思われる(白い台座に黒いケースが乗り、クリック部が赤い)。 嬉しくも定番のオムロン製D2Fシリーズスイッチと互換性があるという話だ。 さっそく注文