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真冬に浴槽の残り湯を捨ててはいけない。さもなくば給湯器が壊れる。

住設の説明書をつぶさに読んでみると、知りもしなかった重大注意事項が多数記載されている。特に冬期の給湯器運用には罠が多いのでいくつか紹介してみたい。

なお我が家の給湯器は都市ガス仕様のリンナイ RUF-K245SAW(A) であった。


浴槽の残り湯を捨ててはいけない

給湯器本体の説明書より抜粋

これは以下のような趣旨である:

  • 冬期に内部配管が凍結すると、高価な給湯器本体が壊れる
  • そのため外気温3℃以下では予防措置が働く
    • ヒーターが自動でONになる
    • 給湯器⇔浴槽 間がポンプで水循環される
  • 水循環のためには、浴槽が水で満たされていなければならない

こういった理由により、真冬では浴槽の残り湯を抜いてはいけない。旅行などで数日間不在にする場合など、つい浴槽を空にして洗っておきたくなるが、ダメである(もし捨てたなら新しい水を入れる必要がある)。

ではいつ浴槽を掃除したらいいのか? これは自然、その日の風呂を沸かす直前ということになる。それも短時間で済ませるのがよい。

「前夜もしくは朝方に水を抜いて浴槽を掃除し、夕方に風呂を沸かすまではずっと空っぽ」とかは論外ということになる。


寒冷地では水抜き栓の操作が必要

あまりにも寒いため、凍結防止対策としてヒーター+水循環だけでは足りない地域が存在する。この場合屋外にある給湯器本体の水抜き栓を操作しなければならない。


給湯器本体の説明書より抜粋

雑なスマホゲームみたいなことになっている。「栓を開けてヒーローを助けろ!」

この対策をとるべきケースとして挙げられているのは

  • 外気温がマイナス15℃以下
  • 外気温3℃以下かつ停電している
  • 長期で家を不在にする

停電時はよもやすると忘れてしまいそうなので注意が必要に思える。


給湯器の電源がOFFの状態でお湯の蛇口を開けてはならない

給湯器リモコンの説明書より抜粋
  • 消火されてはいるがまだ熱い本体内部に、
  • 突然冷たい水がどっと流入すると、
  • 温度差で内部が結露して壊れる

ということらしい。温度差が問題なので外気温が低いときほど影響が大きいことになる。


追い焚きは最小限に済ませるべきである

追い焚きは便利だが、デメリットも多い。以前の我が家では風呂水の節約のため「通常の湯沸かし」「冷え切った前日の残り湯を水から追い焚き」を1日おきに切り替えていたが、以下のような問題があってやめた。


まず追い焚きは給湯能力が低い。通常の給湯なら10~15分で沸く風呂が、同量の冷水を追い焚きだけで沸かすと倍の30分近くかかる。

これは主に機器の配管構成に由来した制約で、冷水配管と循環水配管は衛生上の問題もあって混ぜることができないので、加熱ユニット(ボイラー)も冷水用と循環水用で2基必要になる。

そしてガス機器の設置サイズや価格には当然制約があるので、高コストな高出力ボイラーを2基も備えることは普通せず、冷水配管に接続された方を加熱能力の高いメインとし、追い焚き用はサブの形にする。

ひらたくいえば、追い焚きは再加熱のための機能なので、冷水を直接沸かすデザインにはなっていない。そのため加熱能力は低めに抑えられている。


水からスタートし、追い焚き機能だけで風呂を沸かすことを考える。加熱能力が低いため追い焚き回数が1回で足りることは基本的にない。我が家の給湯器の場合1回の追い焚きで10分間だけ稼働するので、30分間では3連続稼働させる形であった。

これはいわば、メインの高出力ボイラーはずっと使わず、代わりに本来サブの位置づけであるはずの低出力ボイラーを、その設計想定以上に長時間連続稼働させている状況ということになる。

これでは当然機器の寿命にも悪影響があるだろうし、低出力ボイラーはおそらく高出力ボイラーを熱効率の面で超えることができないので、ガス代もわずかに不利になると思われる。


ガス給湯器は一度壊れれば20万円が飛ぶので、熱効率や様々な不便を一切無視したとしても、水道代をケチることで得られるメリットはそのデメリットを決して上回れないであろう。

加えて、ボタン1つで風呂が沸く便利さを捨ててわざわざマニュアルで追い焚きボタンを複数回押すのは時代を逆行している感があるし、何より2日目の残り湯を再加熱するとゴミが浮いている場合もあり不快である。


特に水温の低い冬場において、追い焚きは想定された通りの使用シーン(入浴中にぬるくなった風呂を短時間だけ温める)にとどめて使うべきである。


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