Windows11を24H2にアップデートしたところ、Nvidia Broadcastが動かなくなってしまった。Hotfixも適用してみたが解決しない。
この記事にはとりあえず状況をまとめる。詳しい調査みたいなのは関連記事で。
環境
- Windows 11 Home 24H2
- ビルド 26100.1882
- 24H2 累積更新プログラム (KB5043178) インストール済み
- カメラ本体の機種は NexiGo HelloCam N930W
- 1080-30pの可視光カメラと Windows Hello 用IRカメラ搭載
- RTX4070Ti
- GameReadyドライバ 565.90
症状
例えばGoogleMeetでNvidia Broadcastを使おうとするとこうなる。
「Meet でカメラを使用できません」のエラー |
- 見慣れない「Windows 仮想カメラ」が増えている
- これはスマホをWebカメラとして使えるようにする24H2の新機能に関連しているらしい
- 使うアプリによっては仮想カメラの方が候補に出ない場合もある(Zoomとか)
- Nvidia Broadcastカメラも通常版と仮想カメラ版の2つが選べる
- しかしどちらのカメラを選んでも映像入力は無のまま
- ダメなのはNvidia Broadcastカメラの方だけで、Nvidia Broadcastマイクはちゃんと動作してそうに見える
対策
NvidiaからHotfixが出ているので、とりあえずこれを当ててみる → https://nvidia.custhelp.com/app/answers/detail/a_id/5553/
これの中身はHotfixという名前から想像される小さなパッチではなく、Nvidia Broadcastの最新版 1.4.0.38 がまるごと入っている(通常のインストーラーは1.4.0.29が最新)。
インストール手順について。面倒でも既存のNvidia Broadcastは一旦アンインストールし、再起動を挟んでからHotfixをインストールするとよい。
1.4.38.0が入った状態になる |
ただこのHotfixはInsider Preview版の24H2における問題を解決するもので、正式リリース版に完全対応したものではなさそうだ。その証拠に24H2の正式リリースはほんの数日前であるにもかかわらず、Hotfixの最終アップデートは3ヶ月半前である。
インストールしたら、アプリケーションからは「Windows 仮想カメラ」ではない方のデバイスを選択することで、これまで通り正常動作してくれることが期待される。
それでもダメなとき
自分の環境ではHotfixを入れてもうまく動作しなかった。最新版において以下のような挙動パターンがみられた:
- 何をどうしても「カメラを使用できません」のエラーが解消しないパターン
- カメラ本体のLEDも点灯せず、デバイスをオープンできていなそう
- 上記のエラーメッセージは表示されず、カメラ本体のLEDも点灯するが、表示される映像は真っ暗のままのパターン
- 一旦仮想カメラを選ぶ → そのあと目的のカメラを選び直す → この手順を踏むと正常使用できるパターン
- 正常使用できているように見えて、しばらくすると突然映像がブラックアウトするパターン
- どのパターンが引けるかはアプリ再起動ごとのガチャしだい
いまのところ完全な解決策はない。手元では「DDUでディスプレイドライバとNvidia Broadcastを完全に消したあと両方の最新版を入れる」などもやってみたが、効果はなかった。
さらなるWindows Updateか、Nvidia Broadcastの追加Hotfixに期待したい。
追記
公式のフォーラムでもユーザーからの不具合報告が上がっている。このHotfixが安定リリース版の24H2で動作しないのは自分だけではないようだ。
続報 2024-10-17
NvidiaのHotfixページが更新された。更新内容はわずかな文言変更のみ
- 前:NVIDIA Broadcast Hotfix for Windows Insider build Win11 24H2
- 後:NVIDIA Broadcast Fix for latest Windows 11 24H2 update
変更された文言からは、あたかも正式リリース版24H2に対応する修正であるかのような印象を受ける。
しかしHotfixファイル自体は以下のようにまったく同一のままで、特に解決策が進展したわけではない。一応インストールしてみたが、問題は引き続き発生している。
- NVIDIA_Broadcast_Offline_Ada_v1.4.0.38.exe
- SHA256: 94c0c83fb460e2776be7b8df7bf5475af5390136ba447062b880c4cc625e7427
Nvidiaとしてはこの問題への対応は完了したという認識なのだろうか。わりとダメそうな予感がしてならない。
修正前のページ |
修正後のページ |
続報 2024-11-03
Nvidia Broadcastの正式リリース版が更新された。バージョンは1.4.0.39でHotfixを取り込んだ最新版の位置づけである。リリースノートによれば1.4.0.39の更新内容として24H2における仮想カメラの問題を解決したとある。
また、あわせてHotfixページの案内もこちらの最新バージョンをインストールするように変更された。1.4.0.38インストーラーのダウンロードリンクは1.4.0.39にリダイレクトされる。
しかし手元で試したところ、この最新版をインストールしても問題は解決せず、症状は当初と同様に継続している。ダメ元でGame Ready Driver 566.03への最新化、Webカメラドライバ再インストールと再起動もやってみたが結果は同じ。
続報 2025-02-08
最新バージョン2.0.0がリリースされ、私の環境では問題が解決した。
詳しくは関連記事に記載あり。
関連記事
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- Nvidia Broadcast 2.0.0リリースさる。なんかWin11 24H2の問題まで修正されてるっぽい? まじで??
コメント
はい、そのとおりです。具体的には
・OSやアプリがWebカメラを直接見に行く分には問題ない
・Nvidia BroadcastからもWebカメラは見えているし、設定も問題なくできる
・アプリがNvidia Broadcast経由でカメラ映像を取得しようとすると失敗する
こんな感じの症状です。