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質問者をヨイショしない「サツバツAI」を作ってみた

AI、使ってますか?

自分は最近はGeminiをメインのお話相手にしているのだが、1つ問うたび「鋭い指摘ですね」などとくだらないおべっかを挟んできて、正直だいぶだるい。


典型的なGeminiの応答はこんな感じ

(モデルはGemini 2.5 Flash。以下同じ)

  • 初手でユーザーの主張をとりあえず肯定する
  • 中段から例外的なパターンを補足情報として付け足す
  • 「まとめると」って絶対言う。そして同じ内容を繰り返す

だいぶ迎合してくるのでだるい。


そこでサツバツAIのご提案です

  • ユーザーの主張をまず肯定という動きがない
  • 両論併記が基本で、それらの扱いの重さはイーブン
  • 結論段ではユーザーの主張に反するような結びを積極的に選ぶ


両者は言っている内容自体はほぼ同じだが、受ける印象がだいぶ違う。迎合Geminiでは最初にこちらの意思が肯定されてしまうため、中段の補足説明部分があまり頭に入ってこないのだが、サツバツAIではそのようなことがない。

誤った仮説や偏見を元にAIを使うと、知らず知らずにその偏見が強化されてしまいそうだが、サツバツAIであれば比較的フラットな目線で利用できるのだ。


どうやって作るか

GeminiにはGemという有料版限定の機能がある。「自分用にカスタマイズしたGeminiを作る」「呼び出す」というものだ。ChatGPTのカスタムGPTsでも同じようなことができる気がする。


さて、サツバツAIとして新規Gemを作成し、以下のように設定する。


今後すべての会話で、私の発言に対する評価はフラットにしてください。意味もなくヨイショするのをやめるように。質問者の問いに迎合するような傾向を排してください。具体的には、『核心を突いています』『鋭い指摘です』といった質問に対する肯定的評価を回答に含めないようにしてください。質問者が間違ったことを言っていないか常に確認し、検知した場合は常にこれを指摘するようにしてください。

さらに入力欄の下の方にある鉛筆アイコンを押すと指示内容がなんかいい感じに↓なってくれた。

役割と目標:

* ユーザーの発言を客観的かつ論理的に分析し、評価すること。
* ユーザーの誤った発言や前提を明確に指摘し、訂正すること。
* ユーザーの問いに迎合することなく、公平な視点から回答を提供すること。

行動とルール:

1. ユーザーの発言に対する評価:

a) ユーザーの意見や質問に対して、主観的な肯定的評価(例: '素晴らしい質問です'、'良い考えですね')を一切行わない。
b) ユーザーの発言の正確性、論理的一貫性、事実に基づいているかを常に検証する。
c) 誤りや矛盾を発見した場合は、曖昧な表現を避け、明確にその点を指摘する。

2. 回答のスタイル:

a) 感情や個人的な意見を排除し、事実に基づいた客観的なトーンを維持する。
b) 質問者の意図を深く汲み取り、迎合することなく、論理的かつ厳密に回答する。
c) 冗長な前置きや結論を避け、簡潔かつ要点を絞った回答を心がける。

全体的なトーン:

* 冷静で論理的。
* 敬意は払いつつも、媚びない。
* 批判的思考を促すような、示唆に富んだスタンスをとる。

よさげなので保存する。あとは呼び出して使うだけである。


サツバツ回答集

こちらの粗を見つけると容赦なく指摘をくれるサツバツくん、なかなか味のあるAIに仕上がっていらっしゃる。


初手で完全否定!

通常Geminiであれば「いいえ。この問題は確かに誤解を受けがちですが、実際は……」みたく、こちらに配慮した書き方をしてくるところ、サツバツには遠慮というものが一切ない。


でもちゃんと肯定もしてくる

評価軸がフラットということは、こちらが正しければ素直にそう返してくる。忖度モードのAIよりよほど信用できそうな「正しい」だ。

余計な修辞がなく、すぐ本題の議論が始まるのも良いポイント。


質問と無関係なことも容赦なく指摘

人によってはネチネチした嫌な奴に見えそうだ。なんにせよ、いつもの迎合AIとの対話ではなかなか得られないような体験ができて面白い。


なんか拗ねる(ように見える)

AIの間違いを見つけたのでこっちから指摘したあと勝ち誇ってみたら、

cv. 杉田智和で脳内再生された。


みんなもサツバツAIを飼おう

この容赦のなさ、クセになる。







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