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『上伊那ぼたん』5話のエンディングアニメを読む。郡上先輩のいぶきとの出会い、二人だけだった頃の寮、踏み込めなかった距離。

上伊那ぼたんに脳を焼かれているこの頃です。いやーいいんだーこれが。

本編はもちろんよいのだが、エンディングでもう1話作れるくらいの濃密な話を展開してくるので、原作勢ほど見逃せない感じのアニメに仕上がっている。

原作者・スタッフ含めめっちゃ関係の深いアニメに「ヤマノススメNext Summit」というものがあるのだが、これと同じく上伊那ぼたんのエンディングアニメは吉成鋼の一人劇場である。それも完全アニオリで毎度すごいものをお出しされており…… 


ED放送中にされた「原作者の」POSTがこの具合である。


そんで、最新5話のEDが特にやばかったので読んでいこうと思うわけです。ちなみに公式の動画もYouTubeにある


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飲み屋にて。煙草を吸いに出た郡上先輩、いぶきの姿を初認識。


いぶき、泣いてる?


そっと様子を伺うと


いぶきは途中で抜けて帰るつもりらしい。

ちなみに左の赤髪の子がいぶきの涙の原因。名前は養老うつぎ先輩というらしいです。


さすがに気になり、店の外に出たいぶきに追いついて声をかける。ちなみにこの時点ではいぶきが1年、郡上先輩が3年です。


郡上先輩はしっかり者。大人っぽく一歩引いての気遣いとあからさま過ぎない配慮ができるタイプ。

恐らくこのときも、詳しい事情は聞かず、何なら泣いていたらしきことにも言及せず。ただ自然体な感じで話題を変えながら、落ち込んだ後輩が一人寂しくないようにと駅までを一緒に歩いたのだろう。


郡上先輩のほうから軽い冗談でも言ったのか、いぶきの表情がふっと和らぐ。


ここで初めて郡上先輩に色がつく。いぶきの受け答えか、表情か、なにかに感じるものがあったのか。


二人で歩くようになって、ようやく世界が灰色でない色に戻ってくる。


池袋駅の地上東口。なにげに飲み会帰りを思い出させるいい空気感の絵(夜の駅って、入ったところにある蛍光灯が演色性低いせいで緑っぽく見えることあるよね)。


東武と西武で分かたれる帰り道。この頃から二人の間には距離があったんですね。

ちな郡上先輩、ただの飲み会帰りなのに特急使うの、めっちゃ乙だねえ。


気にさせ過ぎないくらいの軽やかさで別れていく郡上先輩。なんだよーめっちゃいい子じゃんー。


一人残されたいぶきからは色が消える。一緒に歩いてくれた郡上先輩がちゃんと救いになっていたのだとわかる。


さっき入ってきた東口をなぜか戻るいぶき。


意を決して扉を開くと


さっき二人で通りがかったバーで一人飲み直し。

この日初めて酒を飲んだっていうのに、女子一人でいきなり夜のバーに入るのはすごいな!? 酒そのものをよっぽど気に入ったというよりは、養老先輩への感情を整理したかったのだと解釈したが。


時が移り、電車内で浮かない顔のいぶき。髪を切りはしたものの、養老先輩への気持ちは簡単には決着しないということか。


景色がよい西武特急Laviewで、ちゃんといぶきを窓際に座らせてあげている郡上先輩と、それなのに眠そうに携帯ばっか見ているいぶき。ここでもテンションの差がある。

郡上先輩さりげなくボディータッチ。


武甲山が大きく見える、西武秩父駅までもう数分くらいの距離か。


郡上先輩の他はまだ誰も暮らしていない寮。


家具もなにもない部屋。


この寮はこの二人から始まったんですかね。その記録かな。


まだ何もない床で寝転ぶ二人。距離も徐々にだけどちゃんと縮まってきている。


決めポーズをなかば無理やりに取らされるいぶき。


「もー、私ばっかり撮ってないで先輩もー!」的な?


二人で同じ色の服を着てたりもして。


このときの羊山公園での新歓が、次年以降も伝統になったのかな。


1年後には寮に後輩も増える。


賑やかになったけれど、でもどこか寂しそうな表情のいぶき。


さらに1年後、郡上先輩の見つめる先は変わらずいぶき。けれど二人の間には壁があって、


その壁のない距離にはぼたんがいる。


諦念とともに盗み見ることしかできない郡上先輩。

いぶきとあることで色づいた郡上先輩だったが、ここで灰色に沈んでしまう。残酷すぎる。


「いぶきって、あんな顔もするんだ。知らなかったなあ」みたいな感じだろうか。

二人を見ているようでいて、郡上先輩の目が追ってしまうのはいつもいぶき一人だけ。


いぶきを引っ張ってどんどん知らない表情を引き出していく誰かと、それを一歩引いて見ているしかできない郡上先輩。踏み込みすぎない気遣いは、踏み込めない臆病と表裏だった。


見せたことのない表情で明るく笑ういぶき。ここでぼたんが見切れているのも、郡上先輩が見ているのはいつだっていぶき一人だけという執着の表れなんだろうなあ。


郡上先輩がいぶきを正面から見つめるとき限定で、瞳にだけ色が戻る。fin.


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ええええ。。。。つらすぎる、郡上先輩。。。。。。感情グラスで感情破壊されたよ。。。。


私見では、結末を変えようと思うならこのシーンです。

「ねえ、今から飲み直さない? 二人だけで」とでも誘って、いぶきの悲しみがトラウマとして固まっちゃう前に救ってさしあげる! 勝ち筋はこれだけ!! ……まじかよ初見殺しすぎるだろ。マリオRPGのキノコ城の隠し宝箱みたいじゃん。

とにかく、いぶきのトラウマに手を打つのは早いほうがよく、うまくすれば、そのあとの寮で二人きり時代の仲の良さを見れば、もっと先まで関係を進めるのも全然無理な話ではなかったように思う。

でも、そうはならなかった。郡上先輩は一歩引いた気遣いのできる情の深い人だから、酒の席で泣いていたいぶきに対してそういう踏み込み方はしないし、できない。


「なにか訳ありみたいだけど、いぶきって人前では飲まないのよね」とか言っているうちに、上伊那ぼたんとかいうすげーやつがやってきて、あっという間に距離を踏み越えていってしまう。自分では2年かけて縮められなかった距離をものの数日で。ぐえ。。。。


郡上先輩の視点で見返すとこのアニメ、たいへん美しくて残酷な傷口なんだよなあ。おねがいジンランちゃん、はやくきておくれ……。


あ、アニメもいいし原作もおすすめです!


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