続けてコンテッサ・セコンダの分解掃除をやっていく。前回は背もたれを取り外して丸洗いしたのであった。
今回は座面を外す。元通り使えるようになるまでトータル3日間くらいかかったので、代替の椅子を見つけておいてからの方がおすすめ。また少しでも乾燥を早めるため天気のよい日に作業開始するのがよい。
作業前の汚れ状況
座面は全体がうっすら黒ずんでいる。あと過去に一度お茶をこぼしたのだが、その染みも残ってしまって取れない。
お茶をこぼした跡(右端の染み) |
座面を取り外す
この作業はさして難しくない。
- ボルトを回す作業空間を確保するため、まず座面前後位置を調節して前いっぱいまで引き出す。
- その状態で椅子を横倒しにする。裏面にボルトが4つ見えるので外す。
- 六角レンチは大きめのものを用意しないと、うまく回せないかもしれない。
- 次に座面の前後スライドつまみを左右とも握って、ロック解除状態にする。
- そのまま座面をフレームから外す(座面の前側から先に外すようにすると外れやすい)。
- 座面の裏側についているレールの金具が取れて落ちてくるので気をつける。
①ボルト2本 ②スライドつまみ1個 反対側にも同じものがある |
座面前後スライドつまみ周辺図を以下に示す。
つまみを倒すとギザギザ同士の噛み合わせが解ける。これでレールに沿った前後移動が解禁される仕組み。
今回はあらかじめボルトを外してあるので、つまみロックを解除するだけで、座面がフレームからパコっと外れる。
座面を外した椅子。普段は手が入らないフレーム基部まで露出しておりスーパー水拭きチャンス。
ポリッシュフレームの曇りも、ピカールみたいな研磨剤を使って磨けば復活できそうな気がする。今回は面倒なのでやってない。
取り外した座面をながめる
外した座面はこんなふう。
イエローざぶとん |
裏面はこう。ざっくりプラで裏打ちされた硬めのクッションという理解でよさそうだ。
このあと丸洗いするので、細かい部品はで紛失しないよう、先にすべて外しておくのがよい。そのような部品は全部で6つある。
左のつまみ&バネ付いたまま撮っちゃった |
バネはつまみの裏側に隠れており、つまみが元位置に戻るための反力を発揮している。写真のような感じで輪っか部分を差し込んである。
(座面を横から見た写真) |
丸洗いをやっていく
風呂場に持ち込んで、ボディソープやら洗濯洗剤をぶっかけて泡まみれにする。
泡が広がるようシャワーをかけつつ上からフミフミして、奥の方の汚れを押し出す。この泡洗いとすすぎを何度か繰り返す。
湯船に洗濯洗剤を溶かして漬け置きする。
実際には、これの上から漬物石とかを置いて沈める感じ |
初回の漬け置きは5分ぐらいで早速水が濁る。
この漬け置き⇔すすぎも何度か繰り返して、水が濁らなくなるくらいを目指す。
とにかく重労働な脱水工程
座面は、カラッカラになるまで乾かしてからでないと椅子本体に取り付けることができない。
洗い終わった座面は芯までぐっしょり水浸しなのだが、このまま取り付ければカビは生えるしお尻も濡れるからだ。
- 座面を風呂場の床に置く。水を吸っていてわりと重い。
- 上から足で踏んで体重をかけ、水を押し出す。水が出なくなるまで続ける。
- 座面の上にバスタオルを敷いて、その上からまた踏む。
- 足で踏むので、バスタオルは洗いざらしてカスカスになったやつを使うのがよい。
- 即座にバスタオルがぐっしょり水を吸うので、どんどん交換していって続けて水を吸わせる。
- 1枚のバスタオルは半面ずつ2回使って吸水させられる。
- 使えるバスタオルがなくなったら乾燥機にぶち込んで復活させる。
- 20回?30回?バスタオル交換したあたりで、踏むたびに濡れるという感じでもなくなってくる。そうしたら脱水は一旦終了。
ひたすら時間のかかる乾燥工程
- 座面を天日干しする。もしくは浴室乾燥にかける。
- 浴室乾燥の場合は、できるだけ直風を受けるように位置を調整する。
- 最初は表面をしっかり乾かす。
- 途中で裏返して裏面も乾かす。
- 裏面には5cmくらいの穴があって、中綿の芯部分の水気はここからのほうがよく放散できるから。
- 裏返したまましばらく経過すると、内部の水が重力で表面側に集まってくるので、また脱水(バスタオルを敷いて足で踏む)する。
- 裏と表を切り替えながら、ひたすら濡れている箇所を乾燥・脱水させていく。
- 裏面の穴に指を突っ込むことで中綿の乾燥状態を測ることができる。
- 指にちょっとでも湿った感じが残ったら乾燥は不十分。
- 完璧に乾燥できたら終わり。
- 中綿に偏りが生じていたら、なんとなく戻しておく。
直風あてて裏面を乾燥させているところ |
浴室乾燥には合計で24時間以上かけた気がする。作業中ずっと天気が悪くて辛かった。作業日は天気予報を見て選びましょう。
ふたたび椅子に取り付ける
取り付けは取り外し作業の10倍は難しい。
取り外しの逆をやるだけなのだが「座面が落っこちちゃうので、椅子を横倒しにした状態では取り付けができない」という制約があり、これのせいで作業難易度がめちゃめちゃに上がる感じ。
- まず座面の高さを最高位置にする。床からの作業空間を確保するためだ。
- フレームにレールを載せる。このとき前後の向きに気を付ける。
- レールの上に座面を載せる。これも前後の向きに気をつける。
- 座面前後調節つまみの取り付け方向を確認しておく。座る人から見て自然な向きにピクトグラムが向くようにする。
- 座面の左右にバネを入れる。
- 座面の前方をレールから浮かせて隙間を作る。そのまま、つまみを斜め下側から差し込み、ロック解除方向に回して保持する。
- ロック解除状態のまま、座面をレールに下ろす。
- うまく装着できたら、つまみをロックする。
- この工程は左右同時にやるのがよい。
- レールの端4箇所をボルトで締め付ける。
- 床に座って椅子の横からレンチを持った手を突っ込むより、床に寝転んで仰向けに真上を見て作業するのがおすすめ。
- 横から作業ではボルトが落下し続けて大変だった。
- 4つあるボルトのうち2箇所は位置的に作業性が悪い。電動ドライバー用の長いビットか、大きな六角レンチがあればラクに作業できるだろう。
- 自分はどちらも手元になく、小さい六角レンチをペンチで掴んで無理やり回してなんとか固定した。
完成
無事に分解掃除・洗濯が完了したコンテッサ・セコンダの姿である。最後の乾燥工程だけで2日間くらいかかった。
作業前の状態が下。比べてわかる色の違い。
だいぶ大変だったのでこの先5年は汚れても放置すると思う。
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