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子供のアセトアミノフェン(ドライシロップ)の処方量/投与量について

完全に自分用のメモ。


前提

子供用の解熱鎮痛薬としては一般にアセトアミノフェンが処方される。商品名でいうとコカールやカロナールというのがそれに当たる。

これはロキソニン(ロキソプロフェン)が小児用として認可されていないことによる。恐らく同じ理由から妊婦に対してもアセトアミノフェンが処方される。


「0.4服用」とは一体何であるか

次の写真はアセトアミノフェンドライシロップである。これはシロップ薬を粉にしたもので、水に溶かせば通常のシロップ薬のように扱える。液体に比べて扱いやすいので好きだ。


この袋に印字されている数字なのだが、近所の小児科は「0.4服用」などというよくわからない量を処方してくる。これを便宜的に服用単位と呼ぶことにする。

服用単位が小さいのは当時子供の月齢が低かったからであろうが、これが具体的にどういう定義を持つ単位なのかがわからない。詳細がわからない単位ほど気になるものはない。


とりあえず計測

見たところ、服用単位によって封入されている粉の量が違うようだ。複数サンプルとって重量を測定してみよう。

  • 0.25服用 
    • → 0.69g から 0.70g の範囲
  • 0.3服用
    • → 0.74g から 0.77g の範囲
  • 0.4服用
    • → 0.84g から 0.85g の範囲


※これらの測定値は生データであり、袋の重さも含んだ値になっている

※※使った秤は https://www.amazon.co.jp/dp/B0CJRXHMDR


比例定数の決定

さて、服用単位が非線形になっているとは普通考えづらいので、「全重量 = 何かの比例定数×服用単位 + 袋の重さ」という形の一次関数と捉えればよさそうだ。

測定誤差等もあるが、おそらく 1服用 = 1.0g、袋の重さ = 0.45g であろう。


体重換算で何gの薬を与えればいいのか

「アセトアミノフェン 投与量 小児」などとして検索すればそれらしい資料にあたる。

一例として:https://clinicalsup.jp/jpoc/drugdetails.aspx?code=68122 


複数資料をあたったところ、アセトアミノフェンDS(ドライシロップ)は20%のものが多く出回っており、児の体重によって投与量が以下のように表で整理されていることがわかった。


これも比例関係になっていて、「児の体重1kgあたりドライシロップ20%で0.05g投与」という比例定数が読み取れる。


結論

測定結果をもとに、服用単位 → ドライシロップ20%の重量 → 児の体重 と変換できるようになった。つまり「体重10kgであれば、過去にもらった0.25服用を2袋分合算して与えるとちょうど良い作用量になる」のように結論できる。

※ただこれは結局自己判断の延長でしかないので、「緊急で解熱の必要があるが深夜なので医者に行けない」といった特殊なケースでだけ検討すべき手法だということを覚えておく。やるにしても自己責任である。


補足:古い薬の消費期限について

低月齢時の薬を今与えられるかは、投与量だけを比較すればいいわけではない。薬は化学物質であるから、一定の割合で分解が進むなどするであろう。

「アセトアミノフェンDS 消費期限」などとして検索すると、未開封で3年というのがその答えになるらしい。古い薬は捨てましょう。


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