Wifiの電波が家の隅々まで届くかという、人類史6000年共通の課題がある (*1)
マンションでも一戸建てでも、いわゆる世帯向けと呼ばれる広さの家になるにつれ、Wifiの電波がAP1つで家全体をカバーできないケースは増えてくる。
電波はただ届けばいいというものではなく、品質も必要だ。電波品質が下がりノイズが乗ればそれだけ通信品質も低下し、クライアントはWifi通信を諦めてしまう。
「Wifiがいつのまにか切れていてギガ死した」ということがないよう、家中をそれなりの強度の電波で満たしておくことはとても重要である。
メッシュWifiという選択肢
3台組とかで売られている専用のWifi APを各部屋に設置して、電波の到達範囲を広げることができる。これらはメッシュWifiと呼ばれており、Orbi MicroやGoogle Wifiといった製品が該当する。
クライアントからの使い勝手は単一APの場合と同じで、接続先ネットワークとしては1つだけが表示される。接続先APは最も条件の良い相手が自動で選ばれ、端末を移動するなどし電波が弱くなれば自動で別のAPに接続先が切り替わる。
たいへん便利だが初期導入コストが高い、いきなり機器が3台に増えるので電源や置き場所が課題になりやすい、といった問題がある。
雑メッシュ、もとい、ローミングという選択肢
ところで、実はメッシュWifiのような体験は2台のAPで、しかもメッシュ専用製品を使わずとも実現できる。
構築方法は、2台あるAPのSSIDやパスフレーズ、暗号化方式を同じにする。あとはルーターと各APとの間に有線LANを通すだけだ(難しい場合、AP-AP間をWifiで通信する方法もあり、これは中継機と呼ばれる)。
このようにすると、メッシュ構築時と同じくクライアントは勝手に接続先APを電波強度から判断して切り替えながら使ってくれる。ローミングとはこの切り替えのことを指す。
この方法のメリットは、運が良ければ追加投資が完全に不要になる点にある。
使わなくなった古いWifi APを引っ張り出してきて設定するだけで環境構築できるので、とりあえずダメ元で試してみるということができる。
IoTでミッションクリティカルなWifi機器が増えている
IoT機器のように、あらかじめ家中隅々にばら撒いておいて、リクエストしたときには確実に動作してほしいという機器が増えている。
これらは遠隔にあって動作状態が見えないので、信頼性が高くないと却って不便になる。通信エラーにはシビアにならざるを得ない。
ローミングでは、何でもいいので2台目のAPを置くとそれだけでIoT体験を改善できる。近頃通信エラーが増えた感じる人にはぜひおすすめしたい。
うちの場合は2階に置いたATOM Camが勝手にオフラインになる事案が解消したし、布団の中でスマホをいじるときにWifiが切れることもなくなり、すこぶる快適になった。
*1: https://srad.jp/comment/1851011
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