きょうが人間ドックの日だった。
個人的苦手1位のバリウムと2位の腹部エコーが終わったところでほぼ消化試合の体である。あー昼飯なににしよっかなー(当日は朝食NGなので空腹通り過ぎてよくわからん腹具合になる)とかぼーっと考えながら採血を受けていた。
関係ないけど、バリウムとか胃カメラを差し置いて採血が一番の苦手っていう人もいるのかな? 迷走神経反射? とかそういうので。
まあ自分はそういうタイプではないので、これは左肘の内側から赤黒っぽい線が伸びるのをなんとなく眺めているだけの気楽な時間だ。
「腕にしびれる感じとかないですかー?」「はい、大丈夫です」
見ると、赤黒い線こと注射針の構造はけっこう面白い。よくイメージする注射器を2つに分割したような作りをしている。
説明が難しいが、腕に刺さった針につながっているのは注射器の外装だけで、中に試験管みたいなものを差し込むことで管の中だけに血が採れてくるようになっている。なるほど衛生的だ。
こんな外側だけの注射器みたいなのが使われていた。 中は空っぽで、そこに試験管っぽいのを差し込んで採血。 https://www.askul.co.jp/p/167453/ |
見ていて気になったので、針を押さえる看護師の人に「これって採血チューブの中が減圧されてるんです?」と聞いてみると、はたして正解だった。
「あ、そうなんですよー。中が陰圧になっていて、差し込むだけで採血が進むんです」「あ、やっぱり。おもしろいですね」
「それで採り終わったら勝手に止まってくれるんです。しかも中の試薬ともうまく混ざるようになっていて」「おお、かしこい」
たぶん血を凝固させないための薬かなんかが入っているのだ。
「昔はねー1本の注射器で取ったやつをわざわざ分けていたんだけど、今はこんなに楽になっちゃって。本当医療はどんどん進歩しますねぇ」
「むしろ昔の話のほうがすごいですよ。今のこれを見ちゃうと特に」
見れば、目の前の看護師さんは今日会った人の中でも特に年かさに思える。それで人手も減らせるようになっているんですね、の言葉が喉から出かかったけれど、やっぱりなんとなく言うのやめた。そして代わりになる気の利いた言葉も思いつかず自然と会話は途切れた。
終わってみると、思いがけずもっと会話を続けたい気持ちになっている自分を発見した。ただ採血のためだけの時間を、会話したい目的で伸ばしたくなるなんて、そんな心が自分にあるんだなあ。
ふと、これが昔だったら、今みたいに会話しながらも1本の注射器から手作業で分けるやり方で採血されてたのか。それはちょっとやってみたいな。と妙な気持ちになった。できれば両方のやり方を体験して、それぞれの気分の違いを比べてみたい。
たぶん血を抜かれるって防御力が弱まる的なところがあって、それでちょっと不安になるせいで人との繋がりを無意識に求めるみたいな力が働くのかもしれない。わからないけど。
おわり。
あ、昼飯は蒸し鶏載せ担々麺を食べました。
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