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【ブルアカ・アビドス3章考察】ユメ先輩を失ったホシノの切なさがたまらない。ホシノの部屋は地獄、本来の人格は空っぽ説、他

※注:アビドス3章7話までと最終章のネタバレ。アニメから入った人は気をつけて。


過去ホシノは本当かっこいい……



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ブルアカには噛めば噛むほど味が出る的な生徒が何人もいるけれど、その中でもホシノは随一だ。アビドス過去編ではその傷を存分に切開されてしまっておりたまらない(=ゾクゾクするぐらいとても良い)感じに仕上がってきている。

ホシノはたぶんゲーム運営に愛されているのだと思う。このゲームにおいて「運営に愛される≓不幸なエピソードが増える」であるがゆえ、ホシノの扱いはどんどんさやかちゃんみたいになっている。


ユメ先輩とホシノ、なんと普通に仲が良かった

これまでも過去は断片的に語られてはきたが、ホシノがユメ先輩に強く反抗しているシーンばかりが描写されていた。この二人だけの生徒会はさぞやギスギスしていたに違いない…… と想像する人は多かったはずだ。


先輩の頭お花畑なアイデアをビリビリに破るホシノ
これまで過去ホシノのイメージといえばこれだった


しかしこのほど公開されたアビドス3章を読んで我々は予想を裏切られた。「ホシノ、ユメ先輩とめっちゃ仲良かったんじゃん!」

なにこの笑顔


楽天的で現実見えてなくてちょっとアホの子っぽいけど不思議に芯のあるユメ先輩と、悲観的な現実主義者で仕事ができるし戦闘でも単騎でめっちゃ強いホシノという組み合わせ。

考え方の違いこそあれ二人の相性は悪くなかった。迂闊なところの目立つユメ先輩は地に足のついた判断のできるホシノを頼りにしていたし、ホシノはそうしてため息をつきながらもユメを慕いよく支えていた様子。


この二人の関係性はこうです! こうなんです!


この構図はなんというか、戦闘マシーンなホシノに人の心を与えたのがユメ先輩なのでは? という気がしないでもない。現実主義ホシノの「そんなわけないでしょ!」のツッコミもどこか先輩との掛け合いを楽しんでいるふしがある。


ホシノからユメ先輩への感情の重さ

ユメ先輩はホシノのことを「いつも助けてくれるかわいい後輩」という感じでふつうに頼りにしていたが、ホシノからユメ先輩への感情は単なる「手のかかる先輩」以上の何かだったように思えてならない。

狂犬じみた戦闘マシーンのホシノが、ユメ先輩に真面目に諭されたときだけはたじろいでいたり、わざわざスクール水着姿まで付き合って砂漠宝探しをやったり、失ったあとになってはユメ先輩の模倣で生来の自分の性格を塗りつぶしてしまったり。


真面目に諭しにくるユメ先輩に気圧されるホシノ
この幸せが続けばよかったのにね…… と思わずにはいられない


過去ホシノがホシノらしからぬ行動をとったのは全てユメ先輩に関連するときだった。本来の自分を塗りつぶして消してしまうくらい強烈なアイデンティティを占めているのが、ホシノの中のユメ先輩という存在である。


ユメ先輩への執着が重いホシノ


でも一番大切なこの手帳だけは発見できていないんだよね

一緒に生徒会で活動していた頃の回想で、自分を曲げてまで付き合っていたくらい、ホシノは明らかにユメ先輩のことが大好きだったという描かれ方をしている。そのユメ先輩が突然いなくなってからは執着の度合いが増している。

元々精神的な依存はホシノ→ユメ先輩だった上でのあの結末なので、偏執的になるのもわからなくはない。


失ってはじめて自覚する掛け替えのなさよ


ホシノの部屋は地獄

ティザーPVから登場しているホシノの部屋はよく「地獄みたいな部屋」と形容される。


放送中のアニメ1話にもまったく同じシーンが登場した。

「休日はなにしていたの?」に対する返答がこの部屋の映像と
「おじさんはいつも通りさー」のセリフ、というヤバさ


この部屋にあるものは

  • ユメ先輩との喧嘩別れの原因になったアビドス砂祭ポスター
    • ユメ先輩の目の前でビリビリに破いたものをツギハギ補修してある
  • 領収書やメモ用紙と思しき紙類
    • 先の発言からすると恐らくユメ先輩の残したもの
  • ユメ先輩の残した別れの言葉
    • 「いつもありがとう ホシノちゃん!! お元気でね!」
    • 実質の遺書
  • ユメ先輩と隣でふてくされた顔をして写るホシノのツーショット写真
    • 自分の写りはどうでもよく、ただユメ先輩が写った写真という価値だけで飾られているくさい
    • 二人だけのアビドス生徒会では誰も写真を撮らないので、他には写真が1枚も残っていない?
    • 実質の遺影


例の遺影


遺言メモらしき紙もアニメOPで一瞬だけ登場

「布団にいるホシノは寝ていない、というか寝れていない」の事実に気づくとこの情景の重みが全く変わってくる(意識が落ちるとヘイローが消失するこの世界では狸寝入りをしてもバレる)。

反面ホシノは対策委員会の会議中などはガチ寝している。後輩たちに囲まれているときだけ安心するのか、後輩たちが目の届くところにいないと安心できないのか(失踪してないか的な意味で)、いずれにしろホシノの闇の深さにはなかなかのものがある。


襲撃にも真っ先に気づける高所に陣取るホルスさん


遺影と遺書に囲まれた地獄みたいな部屋で布団にうずくまるだけの休日が2年近く続く「いつも通り」というヤバさもそうだが、

そんなキャラ設定がサービス開始半年前のティザーPVの時点で確定していた事実には「ブルアカってこうだよねぇ……」と信頼と実績の目を向けずにはいられない。


他にも、ホシノの絆ストーリーで夜な夜な街をパトロールしていたり日中毎日ねぼすけなのも、毎夜ほぼ眠れていないからだろうとか、色々と答え合わせが進む。


余談だが、リンちゃんにとっての連邦生徒会長は
ホシノのとってのユメ先輩にオーバーラップする


ユメ先輩を助けられる可能性を、ホシノは自ら捨てていた

失踪以前の時系列は、ゲームの演出などから判断するにこうだった。


また危険な目にあったら助けに行くと言ったホシノ


しかしアビドス砂祭りの件で喧嘩別れする


ホシノの方も本気で絶縁したかったわけではなく、あえて厳しい物言いをすることでユメ先輩が現実を知るよう意図していたのかもしれない。しかし今となってはその真意はわからないし、ユメ先輩がああなってしまった後では全てが手遅れだ。

結果だけ書けば、アビドス砂祭りの一件を契機にホシノが生徒会を出ていったことで、ユメ先輩はひとりで危険に近づくことになった。


直後に「お元気でね」とだけ残して行方不明に

ホシノがまだ生徒会に残っていればユメ先輩に差し迫る危険に気づけたかもしれない。そう考えると、「危なくなったら助けに行く」と言っていたホシノは、助けられる可能性を潰す行動を自ら取ってしまったことになる。

このあたりの構造の切なさは本当にたまらない。大切な先輩があんなことになったのは自分の責任だと思ってそうだし、このシーンを何度も夢に見ているらしき描写もある。


ホシノ本来の自我は一体どこに残っているのか

これだけの闇があったあともホシノの精神は表面上正常を保っているのは、逆に不思議ですらある。案外本来の精神は修復不可能なところまで来てしまって、ユメ先輩の模倣の方が壊れた精神に取って代わったのかもしれない。

とにもかくにも、過去ホシノと現ホシノはだいぶ別人になっている。現在のホシノは表面的にはほぼユメ先輩の模倣といってよい。

  • 髪をユメ先輩そっくりに伸ばす
  • ふとしたときの表情もユメ先輩そっくりにする
  • 装備もユメ先輩の遺品で固める
    • 身体につけるベルト
    • IRON HORUSの盾
  • 後輩をちゃん付けで呼ぶ
  • 後輩を積極的に守るようになる
  • 昼行灯で怠け者な性格を意図して作る
    • 苛烈な性質を抑え、他人を正論で詰めることもやめた
    • 人間味のある「普通の生徒」に
  • 宝探しが好きになる
    • 各絆ストーリー


こう挙げてみるとホシノは(ヒナが評したように)精神が強いのではなく、修復不可能な壊かたをした状態からユメ先輩の模倣要素が接着剤みたいに混ざってもはや分離すらできなくなり、いびつな形で固着してしまったというふうに見える。


https://twitter.com/takepresident/status/1755211587210936462
この境地に至るまでにどんな地獄があったのか


本来のホシノは空っぽ

ユメ先輩の模倣でない「ホシノ本来の要素」はかなり少ない。

  • ショットガン
  • 指ぬきグローブ
  • 口癖の「うへへ」「うへー」
  • クジラとか魚好き
    • でもジンベエザメと区別がつかないレベル。本当に好きなのか大分怪しい。
とくに最後の、魚好きを自称しておきながらほぼ知識は皆無に等しい点から、元々あったホシノ本来の人格はかなり薄っぺらい、人間味のない戦闘マシーンだった説が根強い。

もしくはユメ先輩の模倣と混ざりあったときに元のホシノは記憶ごと塗りつぶされてしまったか。


ユメ先輩との出会いがホシノを人間たらしめたのだとすれば、ユメ先輩の不在時はおおよそ人間味のない空っぽのホシノが残るだけなのかもしれない。



夢の中での回想という点を差し引く必要があるが、上のシーンではユメ先輩が消えると同時に死んだ目になるホシノが描写されている。ユメ先輩の不在はホシノから人間性を喪失させる。

後輩たちとの出会いが今のホシノを作っているのだとすれば、卒業して一人になったホシノはやはり空っぽに戻るのだろうか。今も一人の休日は家に引きこもって時間をやり過ごすだけなので、すでに予兆はある。


たまに顔を出す過去ホシノの片鱗

ユメ先輩を失ってもホシノはすぐに今のような性格になったわけではない。ノノミと初めて会ったとき、ホシノはまだ苛烈な性格のままだった。

アビドス3章の時点で季節は初夏~夏ぐらいに見えるが、ユメ先輩の失踪はそのぴったり2年前であると名言されている。一方でノノミとの初対面時は冬服を着ており、この間に半年くらいの時間差はありそうだ。


たった半年ですごい髪伸びる


最も大切な先輩のヘイローを破壊された姿を見てしまったホシノが、他人に対してヘイローを破壊するなんて文句を脅しでも使うというのがすごい。

自分で言っていて砂漠で見つかったユメ先輩の姿がフラッシュバックしたりとかしないのだろうか。


こんなノリで振り返れる記憶じゃなくない……?


シロコを捕獲した際は今のホシノに近い行動規範を取っていることを考えると、ノノミが自分の後輩になることが確定したあたりが性格上のターニングポイントだったのではとの予想が成り立つ。

後年、連邦生徒会の襲撃を企てた過去をさらっと明かしたりしているが、昔を知っているプレイヤー目線だと「マジでやりかねなくて怖い」。このあたりは隠しきれず漏れ出す過去ホシノの片鱗。



過去ホシノの戦闘力なら独力でサンクトゥムタワーを崩壊させても不思議はないし、4.5th PVの襲撃シーンはそれを実際にやるんじゃないかという予想すらあった。外れたけど、わりとシャレになっていないやつだ。


最終章でシロコが攫われたとき、ユメ先輩のケースと記憶が重なったらしく、かなり余裕のない反応を見せるホシノがいた。シャーレのヘルプ要請を無視して独力で助けに行こうとするくらいなので内心相当焦っていたことがうかがえる。

その結果が例の「止まれ!!」発言で、後輩の変わった姿とはいえ一度敵対すれば容赦しないくらいには肝が据わっているとみえる。


隣の後輩をギョッとさせるホルスモード


またシリアスシーン以外でもちょいちょい攻撃的な本性を覗かせるホシノが観測される。思い出せるところで

  • 晄輪大祭イベントで「やっぱ戦いは出鼻を挫くに限るよねぇ~」
  • アビドスリゾート復旧対策委員会イベントの夜の浜辺でノノミとやりあった一件(いわゆるギスギスアビドス)

こうして定期的にホルス分が補給されるのを見るとほっこりする。するよね?


受け継がれたユメ先輩の教え

壊れた自我を砂祭りポスターのようにツギハギ補修していると思しきホシノだが、そんな状態にあってもユメ先輩からの教えはしっかりと後輩に受け渡している。



「そうして学校を守ったって、何の意味があるのさ」はホシノがよくシロコやセリカを諭すときの言葉だが、これはもともとユメ先輩からの教えだったことが明かされた。



また、ホシノはシロコを保護し対策委員会という居場所を与えた。


これもユメ先輩の教えを実践してのことだ。


ユメ先輩のように振る舞うことが精神崩壊を留める手段だったのか、後輩を持つことになったとき思いあたる唯一のロールモデルがユメ先輩だっただけなのかはわからない。

しかし、口であれほど反発していたホシノも、結局後輩には自分がユメ先輩にされたのと同じことをしてやっているし、今もユメ先輩のようになろうと振る舞っている。

これはユメ先輩こそがホシノにとって自分の目指すべき理想の先輩像であるからにほかならないだろう。


ホシノの教えはクロコにもしっかりと受け継がれている
ジョジョでいうところの黄金の精神みたいなものだ


こうして居なくなったユメ先輩の心と教えがホシノや他の後輩のなかに確かに息づいているのを見ると、それ自体はいい話であるはずなのに、どうしようもなく過ぎてしまった幸せな時間と過去の出来事を思わずにはいられない。


先輩の教えは受け継いだけれど……

ユメ先輩からホシノへ、その先へと「受け継がれたものがあるだけに切ない」という話には触れておかねばならない。




最終章でクロコと邂逅したとき、クロコの目にかつての自分と同じものを見たホシノ。

「クロコ時間軸の自分は、ユメ先輩を失った自分と同じような思いを後輩たちにもさせてしまった」ことを悟るシーンだ。

ユメ先輩の残した悲しみまでクロコに受け継いがせてしまった事実を、ホシノは後輩たちには告げず一人静かに抱えている。こうしてまた闇が深くなる。


最終章を読むと、シロコとホシノの関係性はただの先輩後輩というより、半分家族みたいなことになっている特殊な間柄なことがわかる。この絆の深さはユメ先輩⇔ホシノ以上のものがあるかもしれない。

掛け替えのない相手を喪失させ、ユメ先輩から受け継いだ教えまでこんなことになってしまって、それでもホシノはいつもの調子を崩さないでいられてしまう。


ホシノがこの先幸せになれる未来があるのだろうか

ハイランダーの一件が片付き、そのまま平和に卒業できたとしても、それがホシノの幸せにつながるのかは甚だ疑問だ。


ホシノにはもう学校しか残っていない


卒業ということは守るべき後輩を持たなくなるということだ。これまでユメ先輩を模倣することで保っていた努力が不要になったと気付いたとき、ホシノに残された幸せの形とはなんだろう。

ちょっと水族館を楽しんだくらいでも「自分だけこんな幸せでいいのかな」となってしまうホシノの幸せ耐性のなさもあり、かなり将来が不安視されるところだ。



ホシノには後輩たちの前で1回ぐしゃぐしゃに泣いたあとでいいから、ちゃんと幸せになってほしいなみたいな気持ちがずっとある。

ベタだけど、3章の今からでもユメ先輩がどうにか助かる道とか、ないのだろうか。シナリオ上でも奇跡を起こすのが先生の役割みたいだから、どうにか。


「過去に戻ってユメ先輩を連れ帰ってくる」とかでうまいこと失踪の事実と矛盾しない形を取りつつユメ先輩を救出できそうな気がするんだよなあ。

成功すればユメさんホシノさんお二人どうぞ末永くお幸せに!となるので、どうにかこの線でいけませんか。ねえ。


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