リビングの掛け時計が毎日10分くらいずつ遅れるようになっちゃった。しかも、電池を新品に交換してみても改善しない。
観察していると、秒針を持ち上げるパワーが弱く、40秒~50秒を通過するのに正常時の数倍の時間がかかっているご様子。たぶんムーブメントが経年でダメになったのかな? 交換すれば治りそうな感じがしたのでやってみた。
修理にあたってはここらへんのページを参考にさせてもらいました:https://www.lunarsroom.com/repair-clock-movement-2/
ムーブメントをぽちる
ムーブメントというのは針の駆動機構が集まっている時計パーツのことで、モーターとか歯車とかが収められている数センチ角のパッケージだ。見た目にこだわらなければ、ムーブメントに針をつけるだけでも時計になる。
新しいムーブメントを楽天で買った。注文したのはSKPの連続秒針タイプで、シャフトの外径が5.5mm、突き出し長さが12mmという仕様:https://item.rakuten.co.jp/watchparts-okayama/10000870
元のムーブメントに「44803h」という刻印があったのでこれを元に調べて、計測した寸法と同じものを注文した。安く手に入れるならAliexpressとか使う手もありかもしれない?
買い方について。
ムーブメントには外装サイズのバリエーションに加えて、「ステップ秒針 or 連続秒針」「電波時計 or not」のような仕様違いが何パターンかある。
各種寸法については元のものと同一であるべきで、その他の仕様については自由に選べばよい。たとえば自分は連続秒針タイプが好きなのでそちらを選ぶ。ここらへんは好み。
元のムーブメントを取り外す
分解の順番は時計のデザインによって違うと思う。今回は最初に文字盤を枠から分離させた。ガラスのカバーが割れやすいので慎重に扱う(たぶん作業前に保管場所を決めておくほうがよさそう)。
針を引き抜いていく。単純に差し込まれているだけ、なのだけれど、薄くて柔らかい金属製だったので外すときにちょっと歪んでしまった。取り付ける前に真っ直ぐに直した。
針を外したら、最後に固定用のナットをゆるめて外す。これでムーブメントの固定がなくなって裏からパコッと取れてくれる。
シャフトの左側の置いてあるやつが押さえのナット |
文字盤がホコリだらけなのでこの時点で拭き掃除しちゃうとよい。
取り外したムーブメントは、この状態で各種寸法を測って発注する感じ(説明の順番が前後しちゃったけど)。
新しいムーブメントを組み込む
ムーブメントを入れ替えたら、文字盤側にまわる。
ナットで固定。
針を12時00分00秒の位置にそろえて差し込む。
この位置合わせが適当だと針の揃わない時計になってしまうので、真面目に合わせる。
※たとえば短針と長針は12時の位置に揃えたのに、秒針だけ6時の位置に差し込んでしまった場合 → その時計は今後ずっと12時00分30秒、1時00分30秒、2時00分30秒…… で長針が真上になる、微妙に嫌なズレ方をしつづける。
掃除して組み立てる
文字盤のごみ取りと、ガラスの指紋の拭き取り。
ガラスには斜めから強い光を当てて汚れを探すとよかった。
マイクロファイバークロスとかで拭いて綺麗にする。
掃除したあとのガラスを素手で触らないように気をつけながら、外枠にガラスをはめる。
そうしたら文字盤(にムーブメントと針を取り付けたやつ)を、裏側からはめる。
内枠にネジ止め。
これが木枠に木ネジで留める仕組みで、構造的に弱そうなのが将来の修理を考えるとちょっと心配。
完成したら電池入れて試運転
ちゃんと動いた。いいねー。針の持ち上げパワーも復活。
壁にかける。うーんかわいい。
今回は思い入れのある時計なので修理したけど、普通は新しいのを買ったほうが早いと思う。もしかしたらコストも新品買う方が安くすむ。
取り外した古いムーブメントで遊ぶ
裏側に電源をつないで、歯車くるくるさせて遊ぶと、たのしい!!!
仕組み的には、エナメル線を巻いたコイルが磁界を作って、その先にある磁石付きの歯車を動かす。コイルに流す電流の向きを周期的に切り替え続けることで回転を維持するのだと思う(ステッピングモーター)。
歯車の方はちゃんと固定されていないため半分倒れている状態らしく、そのままだと動いてくれない。色々試した結果、細いもので中心部を軽く押さえ、コマのように真っ直ぐ立ててやることで、安定して回すことができた。
周辺の歯車も組み込んでみた。メカっぽい見た目でかっこいい。
歯車のうち何枚かは軸が中空になっていて、そこに別の歯車の軸が差し込まれる形だった。1つの軸から3つの針の動きを取り出せるようにする工夫の設計。
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