「メカのロマンを探究する会」というYoutubeチャンネルが好きでよく見ている。
https://www.youtube.com/@user-ie4js3rz8w |
ざっくりどんなチャンネルか
主に乗り物のエンジンとか動作原理について、図を用いた詳細な解説動画を出しているチャンネルで、とにかく好奇心をくすぐってくれる。
特徴は
- 電車、自動車、飛行機、ヘリ、船、発電所…… と対応分野が広い。
- メカ全体の解説と、エンジンや翼といった単体コンポーネントの解説の、両方がある。
- かなりマニアックな領域まで踏み込んだ説明をする。1本の動画の中に自分の知らない知識が必ず含まれてくる。
- 何かの技術を紹介するとき、効率が悪い、耐久性が低い、設計難度が高いといったネガティブな特徴もセットで出してくれる。
- たとえば内燃機関の解説ならほぼ必ず排気干渉の話が登場するし、シリンダー配置の話からエンジン振動のキャンセル方法にまで踏み込む。
- 現実の技術選定に効くのはメリット要素より、むしろデメリットを避けられるかどうかだったりするので、この解説スタンスにはとても信頼が置ける。
- 数式頼りの解説をしない一方、数式があった方がわかりやすい場面ではちゃんと数式も出した解説をする。
- 図や語りのテンポがよく、わかりやすい。
たとえばこんな動画を出している
コンコルドの失敗要因解説なんてYoutubeには腐るほど動画があがっているのだが、そんな手垢の付いたテーマでも面白い解説に仕上げてくるのが素晴らしい。自分はここまで経済性悪化の原理や技術的難度について踏み込んだ解説を見たことがなかった。
動画全体の尺が半分を過ぎたあたりから知らない話が増えてきて、それでもちゃんと理解がついていける平易な説明をしてくれる。
この「わかる」過程がとても気持ち良いので、次々と別の動画を見てしまう…… というのがいつものパターン。
個人的に好きな動画をいくつか紹介してみる
DCTといえば最先端に進化したミッションというイメージがあったのだが、日本でいまいち普及していない理由を原理ベースでちゃんと知れたのは大変面白かった。
【×水平対向】対向ピストン三角配置のデルティック【エンジンの仕組み】
ただの変態エンジン…… かと思いきや、内燃機関にありがちなデメリット色々をきれいに解決する意外な良作。まずこんなエンジンがあることを知れたという点だけでもいい動画。
燃焼間隔を説明するシーンの「ドドド」「ドドド」「ドドド」がかわいい。
VVVF制御が当たり前の時代からみて、古臭いばかりと思っていた直流直巻電動機、シンプルながら素朴に美しい機構なのが知れてとてもよかった。機構も動画もステキ。
このチャンネルの真髄はやっぱり航空技術解説にあると思う。「超音速になるとベルヌーイの定理が通用しない」「音速以下の流れでは先細り形状で加速できるけど、超音速になると逆に末広がりで加速される」とかいっさい知らなかったし、なんなら想像もしたことのない世界。
ラムジェットは他にも多種多様な原理の複合技でうまいこと動くようになっていて、エンジン原理と解説の両方がとても美しい。
みんな見よう
ここの動画はYoutubeにある学び系コンテンツでも随一と思っているのでぜひ広まってほしい。視聴者が増えて収益化が安定するなどで、より動画制作側のモチベが増進してくれるとかすると私もうれしい。宣伝、宣伝。
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