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JR東日本トレインシミュレータのバグ対処メモ。開発元はせめて公式アナウンスを出してくれ。

JR東日本トレインシミュレータは音楽館のPC用ソフトで、実写映像を使った鉄道運転シミュレーターである。

ゲームではなくシミュレーターなのが特色で、本物の運転手の教育にも使われるシステムをPC移植した本格的なソフトになっている。

このあたり電車でGO!とは全然思想が違って、定着でポイントを稼ぐとかダイヤ遅れでゲームオーバーになるみたいな概念が存在しない。そういった理由からゲーム性は薄い。 


収録路線は随時追加されていて現時点では18種に上るDLCが存在する。音楽館のトレインシミュレータシリーズが継続的にSteamで買えるとは、なんていい時代になったことだ。


※音楽館というのはカシオペアのキーボーディストで世界的に有名な向谷実さんの会社。社長は生粋の鉄道ファンなことでも有名で、東京メトロ東西線のつなげると1つの長い曲になる発車メロディなんかもこの人の作曲。


……という良い側面ばかりではないのだ

というのもこのソフト、どうも品質が微妙だ。ぶっちゃけて言うとバグが多い。なので個人的に遭遇したエラーと対処法をメモしておく場所としてこの記事を書いている。

もともと音楽館は訓練用シミュレーターを筐体ごと一括納入する業態なのかな? さまざまな環境が混在するPC用ソフトは不慣れそうな感じがする。


まあそれはいいのだ。気になるのは、Steamコミュニティ上で様々なバグが報告されているのに、公式からこれに対するアナウンスが一切されない点である。

頻繁に(新路線追加のたび)Youtubeで生放送をしているにもかかわらず、私が遭遇したバグのいくつかは現在でも放置されているし、公式情報で触れられたこともない。

ずっと前からSteamコミュニティ上で報告のあった不具合ばかりなので、開発元がこれを認知できていないとは思いたくなく、技術力の問題なのか、単に不誠実なのか、微妙に判断に迷う感じだ。


再現環境メモ:Win11 x64 Home 23H2、Core i7 12700、DDR4 96GiB、アプリバージョン 1.0.1.496、DLCは東海道線と高崎線を導入


まともなグラフィックス設定がない

不具合ではないのだが、結局これが諸悪の根源という感じがする。

このゲームのグラフィックス設定画面は以下である。


当然あるべき設定項目が見当たらない。垂直同期ON/OFFとか画面解像度とかそういうのが。

これはもう仕方がないので、NVIDIAコントロールパネルからアプリ別設定を作成して対応するしかない。



上図のように JREAST_TrainSimulator.exe のパスを直接指定してアプリ別設定を作成する。これでようやく最重要の垂直同期について設定変更できる。


キーコンフィグもない

ないのだ。

コントローラー操作の場合はSteamの割当機能で対処できるというが、不親切。

キーボード操作の場合はそういった救済措置は一切ない。諦めよう。


映像の進みが速度表示と一致しない

症状例

  • 笑っちゃうくらい猛烈に加速する
    • 1ノッチでも正常時のフルノッチ以上の加速
    • フルノッチ投入したら車みたいな加速
  • 逆に、非常識なくらい加速がのろい
    • フルノッチで5秒かかって1km/h増速するみたいな感じ
    • さらに加速を続けて速度計は80km/hの表示になったが、映像の進みは自転車と同じくらいに感じる
    • それでいて時計は秒数通り経過するので、次駅到着時刻には絶対に間に合わない


解決方法

  • 垂直同期の設定を「オフ」から「オン」に変更する
  • 上記で改善しなければ最大フレームレートを「60FPS」にする
  • 設定したらアプリを再起動して改善したことを確認する
  • (加速が鈍い場合は画面解像度を下げてみる)


原因

  • どうも映像の方がきっかり60FPS出ていないと速度や時刻表示とズレるらしい
  • ハイスペックマシンの場合で、例えば120FPS出てしまうと2倍速?になる
  • なので垂直同期ONして、ゲームFPSをモニターのリフレッシュレートに揃えることで解決する
    • 60FPS超えのゲーミングモニタとか使ってる環境ではFPS制限も必要と思われるが、確認はしていない
  • 低スペックマシンでは逆にFPSが不足するのでのろくなる
    • その場合は解像度を下げるなりしてどうにか60FPSを確保すればOK


おまけ:猛烈に加速する高崎線。楽しい。これで等倍速なんだぜ。


映像から、4094mの駅間を40秒で走ったので平均速度368km/hだ。


運転中止してタイトル画面に戻るとアプリが落ちる

症状

  • 運転画面からポーズメニューを開いて「運転を終了する」を押すとエラー
  • 同じく「駅を移動」で移動先を選ぶとエラー
  • ゲーム内にエラーが出る感じではなく、マジでデバッグウィンドウが立ち上がって生のエラーが見える
  • エラー後は復帰できずにアプリが落ちる


エラー文字列

  • CreateBuffer 887A0005
  • MLcamera_PC.cpp Line 293 : ERROR :(0) FAILED
  • GPU デバイス インスタンスが中断されています。GetDeviceRemovedReason を使用して適切なアクションを確認してください。
  • など


解決方法

  • 垂直同期の設定を「高速」以外にしてアプリを再起動する


原因

  • なんか知らんがFastSyncとの相性が悪いっぽい
  • 60FPSのフレームレート制限下でもFastSync有効だとエラーになる
  • どういうデバッグしてるんだろう


運転台をサブモニタに表示させると加速がのろくなる

症状

  • 非常識なくらい加速がのろくなる
  • この症状は運転台表示方式が「2画面」に設定されているときだけ発生する
    • 「1画面」に設定すると即座に症状が解消する(アプリの再起動も不要)


解決方法

  • 垂直同期を「オン」フレームレート制限を「オフ」に設定する
  • 私の環境はこれでうまくいったというだけなので、各自の環境に合わせて色々試してみてください


余談だが、この2画面機能も実装がかなりイケてない。ゲーム画面を下に向かって縦長に延長されるという仕様のため、PC側でのモニターレイアウトを縦に並べるように変更を強いられる。

MSFSのVLSマップのように運転台専用の子ウィンドウを作れば、ユーザーが好きな位置に移動できていいと思うのだが、なぜこんな面倒な方法を使ってしまったのか……。案の定エンバグしているし。


マニュアルが開けない

症状

  • 「[J] 日本語マニュアル」とあるのでJキーを押した
  • するとブラウザ画面が一瞬アクティブになったが、マニュアルは開かない


解決方法

  • おそらくダウンロードフォルダにマニュアルのPDFファイルが保存されているので、それを開けばOK
  • もしくは、ブラウザ上で直接PDFを表示できる機能を有効にしてから、再度試す


原因

  • ユーザーの環境しだいで発生する不具合ではあるが、そもそものアプリの設計が悪い
  • 根本原因は「マニュアルを開く」機能が「外部URLのPDFをブラウザで開く」形で実装されている点にある
  • PDFをブラウザで直接表示させたくない! という設定をしていると、ここの挙動が開発側の想定から外れる
  • 具体的には、一瞬ブラウザがアクティブになり裏でPDFがダウンロードされるが、本当に一瞬のことなのでユーザーはダウンロードに気づかない


インストールファイルにPDFも同梱しておいて、それを普通に開けばよさそうなものだが、なぜこんな方法に…… あと操作説明くらいはポーズメニューにも常時表示してくれていいと思うんだよなあ。


気づかず何度も試したせいで
ダウンロードフォルダにたくさんPDFが溜まっていた


過去に存在したバグたち

4kモニタで表示が狂う

  • ゲームウィンドウの左上1/4の領域しか表示されなかったり、縦横比がおかしかったりと、とにかくわけのわからない表示になっていた
  • 1920x1080のモニタしか想定せずに開発していたのだろうが…… さすがにどうかと思うぞ……
  • どこかのタイミングでこの問題は修正されたようだ


無限に逆走できる

  • レバーサー(逆転器)を「後」にして、バック走行でひたすら加速し続けることができた
    • 前進時と違い、バック走行では速度制限も信号の影響も受けず、加速だけし続けることができた
    • さらに140km/hを超えたあたりから、なぞのちからで走行抵抗が減って加速度が急上昇していた
    • さらにさらにバックでは途中停車駅も定義されていないため、どこにも止まらず始発駅まで100km以上の距離を高速走行できた
  • 今はバック走行の最高速度が30km/hに制限され、超えると非常ブレーキがかかるので、このような遊びはできなくなった
  • 最高のバグだったので修正されたのは悲しい



このように↑後退で300km/h超えの速度が出ていた。速すぎて映像のバッファリングがおかしなことになったりと楽しいバグだった。


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